今まで自分の病気について書くことが多かったですが、たまには違う内容も書いてみようと思います。

一応、社会福祉士と精神保健福祉士の福祉の国家資格所有者として、伝える役割もあるかと思うので。

メディアでは様々な福祉の問題を取り上げていますが、現場にいる人間としては納得できない内容が多いです。


今回は児童虐待について取り上げます。

最近、児童虐待が原因で亡くなる子どものニュースが増えてきたように思います。

ニュースを鵜呑みにすれば、「虐待する親が増えてきたのね。最近の親はどうなってるのかしら?」と思うかもしれません。

しかし、それは本質をついていません。

まず、虐待の件数ですが、児童虐待防止法の改正により「虐待の恐れがあると思われる場合も通報する義務」が追加されたからなんです。

実際虐待ではなかった場合も通報しなければならないので、単純に件数が増加している事実があります。

また、児童虐待の原因ですが、これは様々な根深い問題が複雑に絡み合っています。

よくテレビでは「親としての自覚がない」だとか、親自身が問題である様に語られていますが…

児童虐待発生のメカニズムとして、親が置かれている環境、親の生い立ちが多く問題となることが多いです。

例えば、親も幼少期に虐待を受けて育ってきた、育児の相談相手が周りにいない、配偶者とうまくいってない、母子(父子)世帯、子どもが障害をもっている、家計が貧困など…

つまり、虐待をした親だけが問題なのではなく、その家庭の周りの環境も含めて問題があったので虐待が起こってしまったと捉えるべきだと思います。

確かに虐待はあってはならないことですが、虐待をやりたくてやっている訳ではないのです。

腹を痛めて産んだ我が子に、虐待をやりたいと思う親なんているはずがありません。

気づいたら手が出てしまった…

こんなことから始まるのです。


虐待問題の根本的な解決には、親ばかり責めても何も解決しません。

なぜ、虐待をしてしまうような状況になったのかを考えることが大切なのではと思います。

虐待が起こらないようにする為に周りができることを考える…

私はこれが必要だと感じています。