上司の言葉に甘え、早退する。

電車の中で考えることは、申し送りで指摘されたことばかり。

今頃、院内で大問題になってるんだろうな…

私のせいで部署がひどい目にあうんだろうな…

事務長に怒られるんだろうな…

仕事ができない人って思われるだろうな…

明日出勤する気分じゃないな…

そんなことを考えていると、自分の情けなさと悔しさが入り混じって、自然と涙がこぼれてしまった。

帰宅後、普段なら1Fのリビングに行くのだが、2Fの自室へ直行。

ベッドに潜り込んだ。

「もう私は終わりだ。明日どんな顔して出勤したらいいんだろう。」

またそんなことを考えながら、ベッドの中で声を押し殺して、静かに泣いていた。

母が私の部屋に来て、「今日は帰りが早いけどどうしたの?」

「ちょっと体調が悪いから早退させてもらった。しばらく寝るから。」

その後もベッドの中で泣きじゃくった。

泣き疲れたのか、いつの間にか寝ていた。

目が覚めたのは、夜8時過ぎ。

とりあえず、お風呂に入る。

湯舟に浸かっていても、考えるのは今朝の申し送りのあの恐怖と、明日のこと。

ため息しか出ない。

お風呂上がりに、夕食を食べようとする。

そういや、今日は昼間に早退したから、昼食も食べてなかったな。

目の前に食事が並んでいるが、どうも食欲がない。

「昼も食べてないのに、おかしいな」

母や妹が話しかけてくるが、私の返事は適当かつ曖昧。

いつもなら、一緒にTVを観ながら話したりするのに。

とりあえず食べれそうなものだけを何口か食べて、すぐ就寝することにした。

布団に入ってからも考えるのは、今朝の申し送りの恐怖と明日の出勤後の不安ばかり。

やはり、考えるだけで涙が自然に出てきてしまう。

夕食前にも5時間以上寝たはずなのに、22時にはまた寝てしまった。