組合事務所の最寄りにある大阪天満宮駅から東西線に乗り、直通1時間弱で武田尾駅に到着。武田尾駅は山と渓谷に佇む無人駅。鉄橋上にあり、駅からは武庫川の流れを真下に見ることができます。心配していた雨も降らず、曇り空の山の空気は肌寒いほど。

10時には総勢15名が集合し、廃線跡の道を辿り始めました。廃線跡は、左手に山が迫り、右手に武庫川の渓流が流れていて、7月にもかかわらず涼しい風が吹き渡ります。枕木の残る路をしばらく歩きトンネルに入ると、10メートル程で空気が変わり、洞窟特有の冷気に包まれます。懐中電灯を消すと真っ暗闇。手の先すら見えません。光の散乱する都会暮らしに慣れた者からすると、本当の闇とはこういうものか、と実感させられます。

トンネルを二つほど抜けたところに、登山道があり「さくらの森」への入り口。当初予定はしていなかったものの、せっかくだからと、一行は山道に入りました。急な傾斜が続き、息も絶え絶えになったところで、ようやく山腹の休憩所に到着。噴出した汗を拭って、ベンチで一休み。木漏れ日がきらめき、涼しい風で木々がざわめき、何ともいえない心地よさでした。ここから更に大峰山への登山道が続いていましたが、それはあきらめ、ショートカットで下山。

その後、またいくつかトンネルを抜け、武庫川を横切る鉄橋を渡ります。以前は枕木の上を渡ったそうですが、今は横に歩行路が付いており危険はありません。眼下には、前日の雨のせいで水量を増した川が白いしぶきを飛ばしながらのたくるように流れ、轟々という音が響いてきます。

鉄橋を越えてしばらく歩き、川沿いの見晴らしの良い場所で、道沿いに一列になって昼食をとりました。川では野生の鵜が濁流にもまれながら、しきりにもぐって魚を捕まえようとしています。そんな様子をゆっくり見物し、終点に向かって出発。途中、道沿いにある洞窟にO氏が入り込んだところ入り口の鉄の扉が閉まってしまい、出られなくなったO氏が泣きながら助けを呼ぶというハプニングはありましたが、何とか全員無事に終点にたどり着き、JR生瀬駅に向かいました。