久しぶりの大きめな2.5次元舞台だったような…?

総合的なことを言うと面白かったかと聞かれると応、満足したかと聞かれると否です

 

これはこの作品に限ったことではないのですが、ハイステは個々の技術の高さを求められるシリーズです

総合芸術というよりも個人芸術と表現した方が正しいのではないかと思うくらいのレベルです

それが悪いわけではなく、むしろバレーボールというスポーツを題材にしているからこその自負というか、作品にプライドを感じるという意味ではとても良いとすら思います

先日、ハイステに黄金川貫至役で出演されていた羽富琉偉さんがプロのバレーボール選手になっていたり、バレーボール経験者が多く出演されていることからもハイステが元より舞台として作品としてよりもバレーボールの技術や身体能力の高さを買っていることはおわかりいただけるかと思います

そのこともあり、1つの舞台を観たというよりも1つの試合を見たという感覚の方が近いのかもしれません

 

が、良いこともある反面もちろん欠点もあります

まず言えることは個々の身体能力は高くともそれを共闘させるだけの俳優としての技術が備わっていないということです

これが個人芸術ならば成立していたかと思います

けれどもあくまでも舞台は総合芸術です

個々のレベルが高くとも、各々がきちんと交わっていなければそれは完成品とは言えません

コロナウイルスの影響もありあまり全員が集まってのお稽古が出来なかったということを考慮したとしても、そもそも福岡公演よりも前に割と公演数を積んでいたという現実を鑑みるとあまりにもお粗末だったのでは?と思わざるを得ません

 

また、無駄な演出が多すぎるというか…

観ていてもの凄く謎だったのは山本あかね役の重石邑菜さんのラップです

百歩譲って原作でラップを好むキャラクターだったとか、本人がラップを特技として挙げているというのであれば納得はできます

が、調べた内ではありますがあかねちゃんがラップ好きという設定もありませんし重石さんがラップを特技としているという記述も特に見つけることが出来ませんでした

つまりはただの茶番

もはや何のためのラップだったのか…?

ラップくらい個人稽古でどうにかなったのでは?とも思いますし、どうにもならなかったのであればあえてラップすることもなかったのでは?と思います

最近ラップ系の作品が人気だから安易にラップをやったというのであれば、もはや重石さんはただの被害者ということになりますからかわいそうだな…と感じずにはいられませんでした

 

そしてそのラップに対抗するかのように登場した安川里奈さん演じる田中冴子の太鼓

まぁこっちは原作で太鼓叩いていましたが…

邪魔だな…と

正直なところ、今回はコロナウイルス下での公演です

無駄な部分は省くべきだったのでは?と素人考えですが思ってしまいます

少なくとも、演者を最小限に減らすということを対策の1つとしてあげるべきだったのではないかと…

冴子さんとあかねちゃんもですが、楓さん演じる灰羽アリサや染川翔さん演じる嶋田誠、木村風太さん演じる芝山優生は必要だったのかな…と感じずにはいられませんでした

更に言わせていただきますと、年齢が上であればあるほどリスクは高くなるという意味でも両チームの監督もいなくても良かったのでは…?

映像なり音声なりでどうにでもなったのでは…と…

 

相変わらずというか、アリサ役の楓さんの棒読みスタイルは変わらないんだなぁ…としみじみと感じましたし、弟である灰羽リエーフ役のタホリ玲央さんが本当に演技が下手くそなのかもしくは片言を意識したらこうなったのかがわからないな…と悩みました

ある意味姉弟共にぎこちない演技という共通点があったのはあえての演出という説もあがってはくるのですが…

 

今回の作品はどう見ても音駒高校の孤爪研磨役の永田崇人さんと黒尾鉄朗役の近藤頌利さんの卒業への餞別公演であったのではないかと見えてしまうので、音駒が全面的に出てきているのはわかります

…が!!!!

が!!!!!!!!

あの人形劇はどうした????????

あれはギャグなんですか??

事前に人形劇あるよという情報は得ていたのですが、これはどういう意図があってこうなった?!と戸惑いしかありませんでした

あのシーンの前後にマネージャー役の方々や他の女性キャストはあいていたように見えたので、小柄な女性キャストがその役をするというわけにはいかなかったのかな?!と…

しかも1回だけではなく2回も出てくるだなんて聞いていなかった…

あれは観ていてとても辛かったです

何を見せられているんだ…???という混乱しかありませんでした

絶対にいらないシーンだった…

 

長年作品の人気を支えてきた2人のための作品だからこそ豪華にしたかったのかもしれませんが、コロナウイルスがある中であえてする公演でもなかったのでは感はかなり強い作品だったかと思います

また、コロナウイルス感染予防対策もかなり杜撰でした

グッズ販売にてこちらの出すお金はトレーに載せるのに、おつりは手渡し

スタッフは全員手袋をつけているのですが、それで観客に座席案内をする際にチケットを受取りそのまま返して次の観客の案内をそのままの手袋で行なう

なんならその手袋をつけた手で手すりや壁を触る

スタッフ同士が談笑している

もう意味がわかりません

これでカンパニーに熱発した人がいたと言われてもなんの疑問もありませんでした

むしろ熱発だけで済んだことが奇跡なのではないかとすら思います

そういう意味も含めて今するべき公演ではなかったのでは…?と考えてしまいました

 

結論から申し上げますと、いつものハイステでした

でもいつものハイステだからこそ今すべきではなかったと思います

まぁ、観に行っている身で何を言っているんだというご意見も当然あるかとは思いますが…

ですがこちらはしっかりとした感染予防対策をされていると思って劇場に行ってこれだったわけですからある意味裏切り行為とも言えるわけですが…

この時期に舞台をするという意味を今一度考えて欲しいです