前回の記事でちょっと気持ち悪いくらい金八先生への愛を語りましたが、次は第5シリーズについてを語ります。
第5シリーズをもう4回も見てるのはどうしてかなあと不思議なのですが、やっぱりキャラに魅力があるからだと思うんです。
なので、第5シリーズの中でも好きなキャラについて話していきたいと思います。
やっぱり兼末健次郎です。風間俊介君演ずる、兼末健次郎がいなければ成り立たないんですよ。てかまあ主役だからね。
健次郎というか、兼末家が全員やばいくらいすごい(語彙力最低)んです。迫真の演技、気持ち悪さ最高。
でもやっぱり健次郎が一番なので、健次郎の魅力を語りたいと思います。
その前に、兼末健次郎についてどんな役なのかを説明したいと思います。もう20年くらい前のドラマだしWikipediaにも載ってるんだから、ネタバレとかどうでも良いよね。
兼末健次郎は、裕福な家庭に生まれた3人兄姉弟の末っ子。とても大きな家に住んでいて、大手に勤めるパパと、専業主婦のママに育てられました。長兄の雄一郎(うちのいとこに激似)は勉強ができたためお母さんからの愛情と関心を一心に注がれ、期待されて育ちました。
しかし雄一郎は元々引っ込み思案だったうえに、ベタベタに愛されたため自分から人とコミュニケーションをとることが難しい青年に育ちます。それでも勉強ができることが強みであり母の期待でもあったので、東大を受けて入学したのですが、そのうちに大学に行けなくなり、アメリカへの留学を逃げ道にしようとします。しかしこれは雄一郎の意志ではなく、ママの意志でした。ママの期待を押し付けられるのに耐えられなくなった雄一郎は、暴れてその後ひきこもるようになります。世間体を気にした両親が、ひきこもった雄一郎は「アメリカに留学した」ことにし、家族ぐるみでひきこもりを隠蔽しました。
健次郎には年が少し離れたお姉ちゃんがいます。コニタンです。めちゃくちゃ可愛いお姉ちゃんです。優しくて頭のいいお姉ちゃんは、健次郎の心の支えです。雄一郎が大学に行けずアメリカ留学を逃げ道にしようとした時も、それはおかしいと母や兄に意見し、兼末家で公正・客観的な目を持っていた唯一の人です。雄一郎のことを隠蔽し雰囲気が悪くなった家庭で過ごす弟の健次郎を気遣い、バイト代を貯めてスキー旅行に連れて行ってくれるのですが、そこでお姉ちゃんは事故に遭い亡くなってしまいます。健次郎は自分の家庭がどんどん壊れていくのを目の当たりにしながら、次第に自分のストレスをクラスメイトに向け、家ではママ思いの良い子を演じ、一方ではクラスメイトを恐喝し、中心人物に君臨していくのです。
ここまでが前提です。
健次郎の魅力①めちゃくちゃ可愛い
この三十路の自分が、当時17歳くらいだった風間俊介君を可愛いと思うのには一見いささか問題があると思いますが、別に15年前の自分も可愛いと思っていたし、同じく三十路を超えた風間君のこともめちゃくちゃ可愛いと思っているので、多分風間君という男性の顔の造形が好きなんですね。10代の風間君に性的魅力を感じているわけではないので、まあさほど問題はないですよね。
要は母性本能を刺激される顔なんですよね。子犬みたいで可愛いんです。
後に健次郎は傷害事件を起こして学校に通えず、幼馴染の幸作が面倒を見に家に来てくれるんだけど、もう兄弟みたいに可愛いシーンがあるんです。2人で料理を作るシーン。ここだけずっと見ていたい。
健次郎の魅力②悪魔のような表情にすごみがある
この役でドラマ・グランプリ新人賞受賞を受賞しました。若かりし頃の風間君の演技がどれだけ凄かったのか知ってほしい。前述したとおり風間君は、家では良い子・学校では悪魔となっているわけですが、その表情の切り替わりが凄い。先生の前でも優等生の顔をするんだけれども、先生の見ていないところでの、フッと何かを企んだような含んだ顔をするのがもうめちゃくちゃ怖くてこれからの波乱の予感がすごい
4回見た今では、怖さよりも悲しさが勝ります。そうしないと心のバランスを保って生きられず耐えられなかった健次郎のことが。
この出世作のおかげでしばらく風間君はネット上で「風間君が出てくると何か悪いことが起きそうな気がする」と言われていますが、こんなすごい表情できちゃったら仕方ないよね。
健次郎の魅力③ものすごく家族思い
健次郎がストレスをクラスメイトにぶつけていたことは許されないことですが、健次郎は本当に家族思いの子なんです。
雄一郎が暴れるのでママの代わりに雄一郎の対応をしています。そのうちママは健次郎に頼りきりになっていきます。
パパも以前は雄一郎の対応をすることがあったのですが、ボコボコに殴られたためもう諦めもあり、仕事の忙しさもあり、段々家庭の問題から目を背けていきます。
健次郎が家でいい子をするのは、家族を愛していて守りたいと思っているから、これ以上両親を傷つけたくないと思っているから。
その無理した結果が学校での言動なのですが、悪魔も、家族の愚痴や悪口は一言も言わないのです。
皮肉にも壊れた家族が再生するのは、雄一郎が母から自立するため包丁を向け、止めに入った健次郎が母を刺し、傷害事件となってしまった後です。
健次郎の魅力④自分の周りの人をすごく大事にする
健次郎は元々心優しい男の子だったので、周りの人のことはすごく大事にする子です。健次郎がクラスメイトから孤立したとき、金八先生のはからいで健次郎の幼馴染の幸作が健次郎の面倒を見るようになります。最初はうざったがっていた健次郎も、傷害事件を境に、そんな事件を起こした自分にも変わらず接してくれたことをありがたく思ったのか、幸作をどんどん頼りにして甘えるような表情を見せます。
これは第6シリーズの話にもなりますが、幸作が悪性リンパ腫で入院した時も一番心配したのは健次郎だし、元3Bメンツのくそしょうもない冗談に「お前マジで黙れ」というにらみをきかせたシーン(久しぶりに健次郎のすごみ見た)から、健次郎がどれだけ幸作を大切に思っているのかが分かります。
卒業後も和解したクラスメイトにしょっちゅう会い、幸作のために何ができるか、幸作だけじゃなくほかの子の身になっても考えることができます。元々の優しさに加えて、自分のせいでクラスメイトから孤立した時も人の優しさに支えられていたことに気づけたから、優しい人間に戻ることができたのだと思います。
番外編・兼末家の魅力
健次郎もいいけど、兼末家は健次郎以外も全員すばらしき好演を見せています。
まずママ。ママのエグさは素晴らしいです。愛情を間違った方向にベタベタに注いだ毒親を見事に演じています。
雄一郎をゆうちゃんと呼び、刺されるかもしれないという時に、陶酔した表情で「ゆうちゃん、ミルクのにおいのするママのゆうちゃん・・・」とつぶやくシーンはマジで気持ち悪くてゾッとします。暴力も暴言もネグレクトもないしおいしいごはんを作って家族のために家事をするママも、子供の愛し方を間違えるとこんなふうになるんだなって怖くなりました。
パパは、家族のために働いており、大手の立場ある役職であるがゆえにどうしても仕事が忙しくなってしまう。でもパパの稼ぎで家族皆を食べさせて守っているので、パパが忙しいことだけを責められない。パパもかつては雄一郎の対応をしてたけど、そこから見て見ぬふりをしていった、でも、家族が本当に壊れてしまう前に、踏ん張って家族を立て直そうと試みた、パパの奮闘ぶりが素晴らしかったです。
コニタン演ずるお姉ちゃん。お姉ちゃんは最初から故人で、回想として出てくるだけなのですが、こんなに優しくて頼りになるお姉ちゃんを亡くした(しかも自分を励ますための旅行で)健次郎はさぞかし辛かっただろうなと思います。お姉ちゃんは前述したとおり兼末家で最も公正な人だったので、お姉ちゃんが生きていたら、ここまで兼末家が崩壊することもなかったでしょう。でも、ここまで根本から再生することがなかったのも、事実でしょうね。
そして雄一郎です。ゆうちゃんはうちのいとこに激似。ゆうちゃんはマジでヤバい。ひきこもりの部屋はめちゃくちゃ汚くて、普通にGとかいます、ぎゃ!ゆうちゃんは、中盤~後半にかけてやっと姿を見せていて、それまでは姿が断片的にしか映らないので、それがいっそう不気味さとヤバさを感じさせます。雄一郎はママのどろどろの愛に埋められそうになって、でもどうにか自立しようともがいている、その葛藤にすごみがありました。
多分この記事を書くだけで2時間くらいかかってるんですけど、時間の流れ早すぎ。また思いついたら書きます。