WGIPのジレンマ
「便器みたいなやつだな!」
これは相手の刺激によって、ヒョイヒョイと条件反射的に反応する人のことを指している。
日本のトイレは人が近付くとセンサーで“サッ”とふたが開き、離れると“サッ”とふたを閉じる。
この挙動のように反応する人のことを指してこう言われるわけである。
更にアメリカ人から見た日本人はまさに「便器みたいなやつ」に映っているというではありませんか。
確かにそうかもしれない。
アメリカから命令が来れば、“サッ”と立ち上がり、中国から脅かされれば“サッ”と身をすくめる。
この比喩から、外国人は日本人の弱点をよく見抜いてることが分かる。
国際社会バンザーイって、手放しで喜ぶのんきさを露呈してる場合でない。
これからはグローバル社会だと、英会話を勉強しても、その気質をどうにかしないと上げ足を取られる。
そしてアメリカからの命令にサッと反応する有り様は、今に始まったことではない。
戦後アメリカの統治下に置かれてからの日米間の関係性であることは言うまでもない。
最初はアメリカの一方的な命令にまじめに抵抗や反対もあったことだろう。
しかし戦後体制というものは新たに「親米」という概念を産み落し、「アメリカのいうことを聞いて『安全』と『豊かさ』が保障されるなら、何がまずい?」といった、アメリカのいうことを聞くことと引き換えに得られるメリットを計りにかける、ある種の損得勘定で相手との関係性を選択する思想が、近代の外交戦略に大きく反映されてきた訳である。
この「親米」という概念。
源流を、W・G・I・P(ウォーギルトインフォメーションプログラム)にさかのぼって考えなければならない。
W・G・I・P、これは文字通り、「戦争の罪悪感を日本人に植えつける宣伝計画」のことである。
W・G・I・Pはテレビ放送、新聞、教科書、出版物などで徹底的に
「原爆を落とされたのは我々のせいだ。」
「二度と武器は持たない恒久的平和。」
を刷り込むことに見事成功した訳だが、その裏には「特攻など平気でやらかす日本人に再び武装させては、何をしでかすかわからん。」と、日本が二度とアメリカに刃を向けさせないために、日本の武装解除が真の狙いにあった。
要は自主独立が断たれ、アメリカとの依存関係を余儀なくされたのである。
一方、「親米」という枠組みの中では、たとえW・G・I・Pの刷り込みがあったとしても、「その代りに平和(安全)と富(豊かさ)を手に入れたじゃない、見事経済成長できたじゃない。」とアメリカが推進する自由貿易と日米同盟で日本は経済発展できてきたことを最重要視するようになったのである。
日本が経済発展できてきたのは日米同盟のおかげであるのは間違いではないが、戦後68年経った今の世界情勢をしっかり見れば、実は当初アメリカが冷戦構造下で取っていた行動は、日本や西側諸国が共産圏化しないよう経済を豊かにしてあげてアメリカに市場を開放させ、アメリカ側のドル圏に経済的に帰属させて、ソ連の東側を封じ込めるための覇権的な戦略であったことが分かる。
中野剛志さんによれば、昔の自由主義vs共産主義という冷戦構造下で、ドル圏に帰属させられてるあいだは問題にならなかったが、世界情勢が大きく変わってしまった現在では、親米路線でこれからも『安全』と『豊かさ』が保障される保証はどこにもないと分析する。
冷戦構造そのものがなくなり、日本を豊かにさせる動機がなくなっただけにとどまらず、世界の覇権国アメリカとして、中東を自分の思うように抑えられず、北朝鮮のミサイル実験抑止もできず、リーマンショック後には、世界経済を引っ張ってゆけなくなっていて、あきらかに覇権国家としての地位が失墜している。
そこにアメリカではもう封じ込めることができないほど巨大になった中国という覇権国家が台頭したわけであり、
日米同盟というのは冷戦終結と同時に20年以上も賞味期限が切れてるというわけです。
そんな中で、東アジアの勢力図はどうなるのか?
このままおとなしくアメリカは引き下がる訳がない。
中国はますます覇権勢力を拡大する。
アメリカの提案であるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)はまさに東アジア勢力低下の挽回策にある。
すると、お互い譲らずやがて衝突するのか?
いや、そんな簡単な話ではない。
ここで生じるのが、勢力の均衡状態、バランスオブパワーが働くのである。
一見対立してるかのごとく、共存を選んでる覇権国同士がギリギリ和平を保ってる状態のことです。それはアメリカも中国も覇権を維持するための選択になるです。
現にTPPへ中国を招き入れる動き、米軍と中国人民解放軍が共同で軍事演習をすることになっていたりする。
米・中は協力するところは協力するのである。
するとどうなるのか?
米中が協力する場面で、日中の尖閣問題で日本がアメリカに助けてくれと言っても、それは…。
アメリカにとって、日米同盟は邪魔になるのです。
むしろ、「中国と対立するのはやめなさい。」というのがバランスオブパワーなのです。
「アメリカのいうことを聞いて『安全』と『豊かさ』が保障されるなら、何がまずい?」という親米派の意見は、ここで現実味がなくなるわけです。
それでは誰が日本の安全を保障するのか?
西部邁氏は、
「安倍首相は日本の政治的戦略として、アメリカからの要求・意見を飲むこともありえるだろう。
しかし20年、50年と中長期的になるかもしれないが、日本が自主独立を言葉で強くにおわせる時代が来ている。
単に米・中の板挟み状態でいても、いずれ妥協をさせられる。」
と論じる。
これはアメリカを敵に回すとか単純なことでなく、アメリカとの関係をいかにパワーバランスしてゆくかだ。
WGIPでうまくやってこれたことが、今自主独立とのジレンマにせめぎあっている。
これは相手の刺激によって、ヒョイヒョイと条件反射的に反応する人のことを指している。
日本のトイレは人が近付くとセンサーで“サッ”とふたが開き、離れると“サッ”とふたを閉じる。
この挙動のように反応する人のことを指してこう言われるわけである。
更にアメリカ人から見た日本人はまさに「便器みたいなやつ」に映っているというではありませんか。
確かにそうかもしれない。
アメリカから命令が来れば、“サッ”と立ち上がり、中国から脅かされれば“サッ”と身をすくめる。
この比喩から、外国人は日本人の弱点をよく見抜いてることが分かる。
国際社会バンザーイって、手放しで喜ぶのんきさを露呈してる場合でない。
これからはグローバル社会だと、英会話を勉強しても、その気質をどうにかしないと上げ足を取られる。
そしてアメリカからの命令にサッと反応する有り様は、今に始まったことではない。
戦後アメリカの統治下に置かれてからの日米間の関係性であることは言うまでもない。
最初はアメリカの一方的な命令にまじめに抵抗や反対もあったことだろう。
しかし戦後体制というものは新たに「親米」という概念を産み落し、「アメリカのいうことを聞いて『安全』と『豊かさ』が保障されるなら、何がまずい?」といった、アメリカのいうことを聞くことと引き換えに得られるメリットを計りにかける、ある種の損得勘定で相手との関係性を選択する思想が、近代の外交戦略に大きく反映されてきた訳である。
この「親米」という概念。
源流を、W・G・I・P(ウォーギルトインフォメーションプログラム)にさかのぼって考えなければならない。
W・G・I・P、これは文字通り、「戦争の罪悪感を日本人に植えつける宣伝計画」のことである。
W・G・I・Pはテレビ放送、新聞、教科書、出版物などで徹底的に
「原爆を落とされたのは我々のせいだ。」
「二度と武器は持たない恒久的平和。」
を刷り込むことに見事成功した訳だが、その裏には「特攻など平気でやらかす日本人に再び武装させては、何をしでかすかわからん。」と、日本が二度とアメリカに刃を向けさせないために、日本の武装解除が真の狙いにあった。
要は自主独立が断たれ、アメリカとの依存関係を余儀なくされたのである。
一方、「親米」という枠組みの中では、たとえW・G・I・Pの刷り込みがあったとしても、「その代りに平和(安全)と富(豊かさ)を手に入れたじゃない、見事経済成長できたじゃない。」とアメリカが推進する自由貿易と日米同盟で日本は経済発展できてきたことを最重要視するようになったのである。
日本が経済発展できてきたのは日米同盟のおかげであるのは間違いではないが、戦後68年経った今の世界情勢をしっかり見れば、実は当初アメリカが冷戦構造下で取っていた行動は、日本や西側諸国が共産圏化しないよう経済を豊かにしてあげてアメリカに市場を開放させ、アメリカ側のドル圏に経済的に帰属させて、ソ連の東側を封じ込めるための覇権的な戦略であったことが分かる。
中野剛志さんによれば、昔の自由主義vs共産主義という冷戦構造下で、ドル圏に帰属させられてるあいだは問題にならなかったが、世界情勢が大きく変わってしまった現在では、親米路線でこれからも『安全』と『豊かさ』が保障される保証はどこにもないと分析する。
冷戦構造そのものがなくなり、日本を豊かにさせる動機がなくなっただけにとどまらず、世界の覇権国アメリカとして、中東を自分の思うように抑えられず、北朝鮮のミサイル実験抑止もできず、リーマンショック後には、世界経済を引っ張ってゆけなくなっていて、あきらかに覇権国家としての地位が失墜している。
そこにアメリカではもう封じ込めることができないほど巨大になった中国という覇権国家が台頭したわけであり、
日米同盟というのは冷戦終結と同時に20年以上も賞味期限が切れてるというわけです。
そんな中で、東アジアの勢力図はどうなるのか?
このままおとなしくアメリカは引き下がる訳がない。
中国はますます覇権勢力を拡大する。
アメリカの提案であるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)はまさに東アジア勢力低下の挽回策にある。
すると、お互い譲らずやがて衝突するのか?
いや、そんな簡単な話ではない。
ここで生じるのが、勢力の均衡状態、バランスオブパワーが働くのである。
一見対立してるかのごとく、共存を選んでる覇権国同士がギリギリ和平を保ってる状態のことです。それはアメリカも中国も覇権を維持するための選択になるです。
現にTPPへ中国を招き入れる動き、米軍と中国人民解放軍が共同で軍事演習をすることになっていたりする。
米・中は協力するところは協力するのである。
するとどうなるのか?
米中が協力する場面で、日中の尖閣問題で日本がアメリカに助けてくれと言っても、それは…。
アメリカにとって、日米同盟は邪魔になるのです。
むしろ、「中国と対立するのはやめなさい。」というのがバランスオブパワーなのです。
「アメリカのいうことを聞いて『安全』と『豊かさ』が保障されるなら、何がまずい?」という親米派の意見は、ここで現実味がなくなるわけです。
それでは誰が日本の安全を保障するのか?
西部邁氏は、
「安倍首相は日本の政治的戦略として、アメリカからの要求・意見を飲むこともありえるだろう。
しかし20年、50年と中長期的になるかもしれないが、日本が自主独立を言葉で強くにおわせる時代が来ている。
単に米・中の板挟み状態でいても、いずれ妥協をさせられる。」
と論じる。
これはアメリカを敵に回すとか単純なことでなく、アメリカとの関係をいかにパワーバランスしてゆくかだ。
WGIPでうまくやってこれたことが、今自主独立とのジレンマにせめぎあっている。