原発ジプシー | 「異端児、常識を疑う」

原発ジプシー

東日本大震災、マグニチュードは9.0で世界ワースト4。
このマグニチュードは最初の7.9から8.4、8.8へ、最終的に9.0にまで上方修正されていった。

実はこの9.0は通常のマグニチュードでなく、モーメントマグニチュードという別の測定方法で測りなおした値である。
なぜ9.0になるまで何度も修正する必要があったのか?

原発事故の賠償金はいくら東電が負担するか、東電の責任範囲はどこまでになるかまだわからない。
しかし、賠償責任範囲を決めるための「原子力損害賠償法」では「巨大災害の場合は電力会社の責任を免除」とある。

そして“巨大災害”の定義は、いかに“想定外”であるか、にかかってくる。
ところが、広範囲に渡るがれきの山や倒壊した家屋を見て“想定外”としても、あくまでも主観でしかなく、具体的な数字、マグニチュードで計るしか定義できない。

そこで出てきたのがマグニチュード9.0だ。
「9.0って想定外だわな、こりゃ東電だけの責任にするのもかわいそうだな」なんて。

と、ここまでは東電責任逃れに対する陰謀論的な見方という指摘もあるが、どうやら世の中は東電をつぶさない方向で動いてるようだ。

東電がつぶれてしまえば、東電株は紙くずになる。東電株は日本を代表する超優良株で、これが不良債権になると世界経済にも大きな影響が出る。大量の不良債権を避けるためにメガバンク3行も大手銀行の年間純利益と同じくらいの額を出し合い数兆円を無担保で緊急融資した。
東電をつぶさないように。

そして瀕死の重傷を負いつつこれから生き残る東電は原発から手を引いてゆかざるを得ないだろう。


原発で働いてきたAさん。これまで福島県のいろんな原発で働いてきた「原発ジプシー」だ。

Aさんは言う、「東電が憎い、原発は反対だ」と。
しかし東電の原発関係で働くしか当面の仕事のあてがない。

一方、関東の人々が使う大量の電気も原発で多くをまかなってる。
原発なしでは生きられないという前提で、多くの人が生活の根をはってしまってる。

今回の事故でAさんは福島原発での仕事がなくなったから、新潟の柏崎にこれから行ってまた原発の仕事を探す、と。
今更、原発がなくなってしまっても困るのだ。
これが現実なんです。

原発なしでは生きられない「原発ジプシー」