円高で介入、なんじゃそれ
円が一時83円台、日経平均が10数年ぶりに9000円割れとなり、マスコミの声は「何とかしろ」、「政府の無策だ」と非難している。
そして声の主はどうやら企業、会社経営者たちの声なのだ。確かに企業の収益圧迫は雇用にもつながるので、国民の大筋の声として代弁していることになる。
一方で家庭の主婦たちにとっては円高?なんじゃそれの世界だとも思う。生活消費財の輸入率が高い日本で円高による食料品が安くなるのは、むしろ歓迎でなかろうか。
とは言え、円高の急騰は日本経済を支える産業、ひいては雇用にとっては大打撃なので、深刻な問題としよう。
円高になってる原因を前回書いたが、ドル安やユーロ安というある意味欧米の保護政策につられての円の独歩高という側面がある。そこで菅直人首相が27日に日本政府・日銀による為替相場の市場介入を行う示唆をした。
介入とは円を売り、ドルを買うこと。今安くなってるドルを買い占め、円高を円安に(ドル安をドル高に)誘導させる金融政策のことだ。
さらに介入する資金は少なくとも10数兆円必要とも言われ、調達するには国債を発行するわけだが、結局、また国の借金を増やすことになる。
この為替介入による効果は短期的なものとの見方、やらないよりやった方がましと言った意見も多い。そもそも依然失業率の高く輸出を推進したいアメリカが歓迎するか、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)からすれば本当に円高で困ってると言えるか。実際にできるかどうかも疑わしい。
そして最後に企業に取って、円高の問題は為替の問題と見えるので、金融政策の無策に目を向けられる訳だが、事態の本質は、日本企業のコストへのダメージ、採算が取れなくから騒いでるとも言える。
コストの内訳をよく見ると人件費コストも高い訳である。輸出産業の戦いは海外競争であり、ライバルである新興国の労働力の安さと比べると、円高の影響という短期の問題より、日本産業モデルの長期の問題として考えねばならないのではなかろうか。