テストの点が悪いから
この学校は受けちゃいけない。
その言葉の意味はわかるけど、
ぼくには違和感しかなかった。
ぼくはそこに行きたいと思うんだから、
そんなに否定しなくてもいいのにって。
秋には本格的に志望校を決めるわけだけど、
別にまだ時間はあるわけだし、
決めなくたっていいじゃない、
って思った。
そもそも、
県立高校はどこを受けても、
テストは一緒だ。
もしかしたら都内の人なんかは
感覚がわからないかもしれないけど、
私立高校ではなく県立高校が主流の地方では、
県内の学生は全員同じ日に、
同じテストを受ける。
センター試験と同じ容量だ。
そのテストの結果を、
それぞれの志望校で順位づけして、
合格発表を行っているわけである。
だから、大学のように志望校の対策なんてものもない。
「基準点」のようなものがあるだけで、
勉強が変わるわけじゃないんだから、
別にどこを目指したっていいじゃない、
って思った。
もちろん最終的には
どこかに決めるわけだけど、
今から「等身大」とかいって
自分の目線を下げることに、
ぼくは納得いかなかった。
結果、それが県内一の進学校に合格した、
最大の理由だったと思う。
客観的に見れば、
ぼくは明らかに「点数」は足りていなかった。
200点満点のテストで、
170点はとらなきゃいけないなかで、
140点くらいの成績だった。
85%くらいの点数が必要なのに、
70%くらいの点数しか取れないわけだから、
その差の大きさはまあ、
自分でいうのもなんだけど、ってな具合だ。
ちなみに県内には「御三家」と呼ばれる
3つの高校が明らかなトップ3で君臨していて、
大きく差をつけて4番手以降がある。
教師からは、
県内4〜5番手に位置する学校を目指して
受験しようと言われていた。
点数を見れば、
なるほど、教師は的確なアドバイスをしていたんだな。
さすがである。
しかし、点数はあくまで点数。
ひとつの尺度でしかない。
つまり、
点数はひとつの「常識」でしかない。
そう思うことがぼくはできていた。
ぼくは担任教師の提案を
のらりくら〜りと曖昧にしつつ、
さも従っているかのように見せて、
ごまかしていた。
そして自分の頭のなかだけは、
一度もブレることなく、
志望校を変えることなく、
近所のトップ進学校を目指して
受験勉強を本格的にはじめていったのだ。
