虎に翼 史実厨こじらせ3 | きくえのざれごと

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芸能事務所との契約形態とか経営資本とか知財管理とか、従来のワンフーからしたら”そんなの知ったこっちゃねぇ”だった領域だと思うんだ 何だこの某事務所に限った風潮は

この朝ドラは貧しさの描写を徹底的に避けているので困ってる困ってる言われても全然ピンとこないのでググってみました

 

これ↓↓↓面白いです

中でも終戦直後のインフレの欄が面白いです(表:転載)

いま朝ドラでは↓↓このあたりをちょうどオンエアしているのですが

これだけとっちらかった時代にいるようです 

1944年から1950年のたった7年でこの物価上昇 

男性の平均月給が104円から11,500円に!!100倍超…

朝ドラ見てて疑問だった「寅子は金が良いから裁判官になりたいっていってるのにナレーションでは『弁護士のほうが金になるので辞める判事が多く現れた』などという 弁護士でもないよねは轟と法律相談屋もぐりでやろうとしてる この時代の法律家は官民どっちが稼げるのか」という点がやっと理解できました 寅子がこだわったのは男女平等であり裁判官であるなら仕事内容のみならず賃金も男女同額であるべき、という点ではないかと 寅ちゃんの長くない弁護士時代にどれだけの賃金もらっていたかはドラマにまったく描写がないので視聴者にはわからないのですが、時代を思うとこの表のように半分以下の女性割にされていたのではないかと そう思いました でもまぁ推測なので「こういう話なら私は納得がいく」だけなのですが

 

そしてこの表を見ながら80代の母に昔話をしてもらったのですが「そういえばおばあちゃんが『うちには(これまで貯めていた)お金があるはず』って言ってよくお母さん(=後妻につき他人!)を困らせてた」と言ってました …これだけインフレしてたら戦前の蓄えなんてお小遣い程度の価値にしかならない お金自体はないわけじゃないんだけどその価値が全然変わってしまったことをそう簡単に理解というか受け入れられない人はいたはずよね しかもそれが血の繋がらない嫁姑間でされるのは…地獄だわ こういう事例からの家庭争議は母の家が珍しかったわけじゃないんだろうなと思いました 寅ちゃんの史実の実家、武藤家は戦前はお金持ちではあったけど貸家住まいを好み転々としてたそうな そこに戦後のインフレの波を食らったら資産を大幅に減らしてたはず  それもあって倹約家の妻に先立たれたおとうちゃんはやさぐれて酒に溺れた挙げ句肝硬変で死んじゃったのかなとも思いました 嘉子さんの息子さんいわく「じいちゃんはいつも酒飲んだくれてた」らしいので 

 

 

先の参照ページ、全体的に興味深いです 

人口の表、およそ100年前の1925年の平均寿命 男42.1歳 女43.2歳です 当時なら私もう死んでますね 母の年齢なら2回死んでる とはいえこれは平均なので若くして亡くなる人が多かったからこの数字なんでしょうね 戦時中のデータはないけど1950年になったら急に男58.0歳 女61.5歳に伸びる 衛生環境が整ったんですかね エンゲル係数の推移も面白い

 

 

 

朝ドラで食糧管理法を遵守してヤミ米を拒否した判事、花岡悟が死んじゃうというエピソードがあったんですがその元ネタの山口良忠さんについてネットニュースに掲載された内容がおかしい 

山口判事の事件当時の朝日新聞を写真付きで載せてある その書き起こしには「月給三十円(税込)足らず」とあるが掲載写真自体には「月収三千円(税込)足らず」と書いてある 100倍違う だいたいドラマ内でも1946年の闇市で寅子が焼き鳥お酒セットに支払った金額は拾円札一枚、竹もとのふかし芋は看板に5円とあった 月給30円ではあまりにブラック企業である そして月収三千円は上記の表の1947年を参照する限り格別に低いわけでもなく平均の男性月収額と思われる (平均の稼ぎと配給だと死んじゃうよってうのが問題で判事という職種だったから稼ぎに恵まれなかったというわけではないと思います)

 

そして

こういったネットニュースの記事と当時の新聞写真の内容が違うのは初めてのことではない

三淵嘉子さんの高等試験合格当時の法律新聞の写真と記事の内容が異なる 武藤嘉子さんのコメント抜粋として下記の赤字部分はニュース記事内では(中略)にされている

「女弁護士を目指しての受験などと云はれては困ります。法律を始めたのはこれからの婦人の社会生活にはどうしても法律の知識が常識として必要だからです。受験することになったのも常時稍(やや)不振の母校の名誉を幾分でも高め度いと思ったからです。これから法律の仕事に従事するかって…それは今まだ何とも言えませんヮ…」本人 さほどやる気がなくしかも「やや不振」てうっすら母校をディスってるような


個人的な見解ですが三淵嘉子さんは本当にただ学問的知識欲だけで法律を学んだのではないかと思っています そして大学で他の学生を男女関係なく圧倒する学力を持ったがゆえに大学側から請われて高等試験を受けたのではないかと そうでもなければ試験当日になってそこで初めて「え?これ受かったら弁護士だけじゃなく裁判官にもなれるの?」となどとのんびりしたこと言うわけがないと思う さらにそこで初めて「でも裁判官になれるの男子だけなの?えーずるくない?」になったのではないかと そして上記記者会見のように超難関に合格した数少ない女性として持ち上げられてもそんなに弁護士業自体ににやる気を感じられないコメントをしてしまっている それほど仕事として興味がある感じでもない また実際弁護士になってもそんなに仕事仕事とガツガツしている様子はない 弁護士になってそうそうに自分で結婚相手を見つけ子をなし家族をもった バリキャリとしての肩意地はってる感じもない ガツガツしてないエピソードとして国選弁護人を断った話がある どうしても自分の正義感では原告に弁護する余地を見いだせず辞退させてもらったそうな 弁護士なら依頼人のために黒でも白くしないといけないのに それを大戦間近の不安定な情勢で弁護士依頼の母数が少ない時代に断っている ある意味仕事を選んでいたことになる ただこの正義感の強さゆえ弁護士ではなくて裁判官を目指す次のステップへ繋がった …と思うのですがなんで朝ドラではそれを描かんかったんや(結論ズレ)