社会学的キャリア論 Sociological Style -3ページ目

劣等感こそが感性を磨く

===============================================

   【社会学的キャリア論】 第502号

===============================================


■今日は、

 【 劣等感こそが感性を磨く 】

というテーマで。


東京出張の際、

奥の細道研究者・俳句関連の方と
多くお会いしました。


芭蕉が歩んだ道だけに、
同じ東北からも著名な方が参加されており、

奥の細道サミット終了後に
懇親会やその後の二次会を
ご一緒させていただくことに。


著名な研究者でありつつ、

いわゆる「人情」関連の本を
出版されている方であります。


ロジックは明晰で、
会議の場では舌鋒鋭い。


でも、人一倍「人情」にアツく
大変魅力的な方なんです。


■普段は、俳句やら
世界遺産についての論及について
お話しを伺うわけですが、

今回は、お酒の勢いを借りて、
「人情」関連の質問をしてみました(ドキドキ)。


ご著書には、幼少の頃
通りのお母さんから声をかけられたことや、

美観整備に生涯をかけたような
火の当たらぬ方への思いやエピソードが

たくさん盛り込まれています。


なぜに研究者としてある冷徹な目と、
人情家の側面が共存しているのか。


その答えが、

「おれは次男だったんだよ」

という意外なものでありました。


■先生が幼少の頃は、
長男は牛乳を飲めるけれども、

次男は「おまえはいいから」と
飲ませてもらえないのが当たり前という時代。


ものをもらうのも、
誉められるのも、全て家を継ぐ長男。


だから、皆がいやがるような
学校で飲む脱脂粉乳がごちそうであった。


誰隔てなく声をかけてくれる
まちのお母さんに心から感謝・感激したし、

人知れず掃除をしたり、
困った人に話しかける人のやさしさを

敏感に感じ取ることが出来たように思う。


「次男」であることを苦と感じることもあったが、

だからこそ、

 「気づけるようになったこと」

 「見えるようになった世界」

がある、というお話しでありました。


■ロジックだけを追求すると、

(私の勝手な思いこみとは思いますが)

どこか取っつきにくかったり、
冷たい感じがして、

その人の周りに輪が出来ることはないのが常。


しかしながら、
舌鋒鋭さと人情を持ち合わせた先生は、
奇跡的にその両面を持ち合わせていらっしゃる。


先生のエピソードは、
「人間万事塞翁が馬」を想起させるような

 【 劣等感こそが感性を磨く 】

という事実を教えてくれたお話しでありました。


一見マイナスに感じること、見えることも、

そこに内包されている美点にのみ
注力することで、


 劣等感によって、

 人とは異なる感性が磨かれ
 その劣等感が魅力に変わる。


どういう編集を自らが加えるかによって、

劣等感を最高の魅力素材に変えることが出来る。


先生の体験談をお聞きすることで、
一歩、人生選択の舵を
強められたように思っております。


今回も出会いに感謝の出張でありました。


===============================================

■ご意見・ご感想がありましたら、
 こちらからお願いいたします。


http://goo.gl/forms/StXe77j3Oh

===============================================