学会発表が縁となり……
さて、ちょいと久しぶりの更新になりますが。。。
いまでこそ研究機関や企業、社団法人のサポートも受けて進めているこのプロジェクト。いち学生のヒラメキが、ここまでオオゴトになっちゃったのは何故でしょう? 今回からそのあたりの話を進めます。
--研究の経緯 を見るとさ。デザイン学校 の卒業制作として発表した翌年に、なんと学会発表しているのね!
松平 健(以下マツ):この間に実は(株)デンソー 本社でのプレゼンもさせていただきました。
--デンソーって、電装のDENSO? トヨタ系の!?
マツ:そうですね。ETC車載器とかカーナビのメーカーでもあるんですよ。
--ゴッツイ会社とつながってたんですなぁ……。
マツ:プレゼンに行った時は、スケールに圧倒されましたよ! こう、会議室がズラーーーーーっとあって(笑)。学生時代、同社の学内コンペに入賞した経緯がありまして、例の卒業制作作品展を見に来てくださった方がいるんです。その方から「面白いね」って感想をいただきまして。あ、コチラ(↓)が卒業制作の作品から抜粋したものなんですけどね。CGを使って実際運転するようなムービーを制作したんです。大規模なシステムの提案だったことと相まって、ご好評をいただきました。
--それでデンソー社に「じゃあ御社に提案させてください!」って?
マツ:企業や世の中なんて、まるで知らない美術系学生でしたからね。正確には卒業したての時期ですが、コワイもんなしっていうか……(笑)。「大人に聞いてもらえるだけでうれしい!」って感覚でしたね。
--そうして実現したプレゼンが好評だったと。
マツ:(株)デンソーの玉木部長(当時)はじめ何人もが見てくださって、親切にいろいろ意見をくださったんです。で、「これは学会 で発表すべし!」ってことになったんです。でも何せ美術系人間ですから。「学会って? 論文って???」な世界でした。
--それでも何とか論文を書き上げた、と。
マツ: 「交差点名称標識に代わる新しい目印の可能性」なんてね。その後も学会発表は二度ほどやってますが、本当に準備が大変ッス!
--大学の卒業論文くらいしか書いたことない身としては、ちと想像つかないプレッシャーですな(苦笑)。でも発表するってことは、学会で何かイイコトあるんでしょう?
マツ:やっぱり出会いですよね。いろんな方いろんな交通の専門家が興味を持って、質問してくださるんです。学会発表がきっかけで、いまも一緒に研究を進めていただいている吉井稔雄先生(当時 高知工科大学助教授・現 京都大学大学院助教授)とお会いできたし。論文をパッと読んで、この考え方が面白いので「実証」部分を手伝ってくださると申し出てくれたんです。
--いきなりスゴイ展開だね。吉井先生にも当時の話をうかがってみよう。
マツ:はい。僕から頼んでおきますよ。でもデザイン畑の人間には論文もタイヘンでしたが「実証」って感覚も謎でしたね。普段「これは良いデザインですよ」っていうのを、数値化して証明とかしませんから……。
ここから「研究」の扉が開かれるワケですが、当時から様々なサポートをされている吉井先生にもご登場いただきましょうか。マツさんの提案のどんなとこが面白かったのか、次回、語っていただきでしょう!