居酒屋で使える経済学
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六本木ヒルズに潜む罠

昨今、モバイルコンテンツ事業の大幅な飛躍、進化するSNS。任天堂のwii人気さえ圧倒する携帯ゲームの存在。これらを見ても明らかな様に、GREE、mixi、DeNA等の企業が物凄い成長を重ねている。

しかし、これらの企業が共通して陥っている罠がある。という思いを筆者は抱いている。

それは後々説明するが、まず上記の様な企業の最大の強みはどこにあるのか?それはいうまでも無く突出した「営業利益率の高さ」である。
(※営業利益率=営業利益/売上高。これが高いほど、固定費や変動費が低く、利益を生みやすい体質の企業となる。)

10年度、GREEの営業利益率は50%。ソフトバンクが20%。ファーストリテイリングが15%と考えると、いかに携帯コンテンツ事業の利益率が高いかがわかる。売り上げの半分が、そのまま利益となるのだ。

では、このようなIT企業が陥りかけている罠とは何だろうか?

繰り返すが、固定費が少ないこと。それが最大の強みであるにも関わらず、自ら固定費を増やす動きをしているのである。どういう事かは次を見て欲しい。

GREE::六本木ヒルズ
mixi::住友不動産渋谷ファースト(http://bit.ly/gBPbk5)
DeNA:渋谷ヒカリエ

これはここ1年程で移転したオフィスの名称であり、それぞれ坪30,000円を越えようかというハイグレードビルである。

例えば、来夏の移転が決定しているDeNAはこの移転により少なくとも、年間1億円程度は固定費が増えることと思われる。

固定費の少ない事が売りの企業が、ハイグレードビル移転のために、月々の固定費を上昇させ、利益率を悪化させているのだ。その中でも、最も大きく賃料が変わるであろうDeNAが、今後どのような道に行くかは、不動産業に従事する私にはとっても興味深い。

まして、今回の震災を受け、上記のようなIT企業も自宅勤務を経験し、それでも事業は回ることを苦しくも自ら証明しているのだ。

ハイグレードビルのメリットといえば、採用活動での競争優位性、働く社員のモチベーションがあげられるだろう。上げる必要のない固定費を犠牲にして得たメリットを有効に活かせるかどうか。それは、今後入社する人材や現在の人材のモチベーションに大きく関わっていくことだろう。

数年後の各社が今からたのしみである。

ホワイトプラン発動の裏技とは

ホワイトプランの背景には、このような裏技があるそうだ。個人的に孫社長が好きになれないのは、自分に都合の悪い事には反論すらしないで、大衆受けする発言ばかりしている事。/ドコモが怒ったソフトバンクの「裏技」http://p.tl/56mY(日経会員限定記事)

この記事、是非皆さんにも読んでもらいたいと思ったが、
会員限定の記事なので簡単に内容だけ要約する。

【ドコモが怒ったソフトバンクの「裏技」】
他社通信キャリアの携帯電話に電話をするには回線使用料を支払う必要がある。例えばSB携帯から、Docomoの携帯に電話した場合、SB社はDocomoに回線使用料を支払わねばならないし、逆も然りである。ここで、問題とされているのが、その『回線使用料の料金格差』なのである。例えば、直近の各社の接続料は下記表の通りだが、3分当たり、Docomo15.66円、KDDI18.72円、SB22.86円。


$居酒屋で使える経済学

この格差を利用してソフトバンクが「差益」を得ており、その差益をホワイトプラン(キャリア同士の通話無料)等の費用に当てていると批判されているのだ。つまりDocomoやKDDIユーザーは、自らの通話料によりSBユーザーのサービスを補填している事となる。

何故こんな事が可能なのか?総務省は通常接続料や約款の詳細提出を各社に要求しているが、この提出基準として、シェアが25%以上の事業者は義務であるのに対し、それ以下の事業者(SBは20%)は努力目標と呼べる位置づけなのである。そのため、SB社の接続料算出根拠は明確には示されていないのだ。孫社長の反論としては、使用周波数が違うから自社は設備投資に費用がかかり、それを接続料に上乗せしている。総務省の割当がもらえないのだから仕方ない。といったようなスタンスだが、設備投資額はDocomoがSBの3倍近い数字であるから、この反論には疑問が残る。今後は、接続料水増しの疑念を払拭する為にも徹底的な情報公開を行ってほしい。

まして孫社長は「光の道」では、価格競争による、光回線の値下げを声高に叫び、坂本龍馬のように国民に崇められている人物である上に、現在の原発の問題では政府は東電に情報の徹底公開を呼びかけている超本人であるのだからなおさらである。

ソフトバンク社に関する過去の記事↓↓
http://ameblo.jp/socialbook/entry-10815236197.html
http://ameblo.jp/socialbook/entry-10815521002.html
http://ameblo.jp/socialbook/entry-10815878073.html

朽ちていった命 ー被曝治療83日間の記録ー

今週末に読み、もの凄く衝撃を受けた1冊。
正直、途中でページをめくるのが嫌になる事や、
食事中気分が悪くなる事もありながら何とか読み終わりました。

世界唯一の「被爆」国である日本。
その日本で起きた初めての「被曝」事故をとりあげたのが本書。
原発問題に揺れる今だからこそ、読んでみる価値がある一冊だと思います。




<内容>※ここから内容に触れています。
日本初の臨界による被曝事故、茨城県東海村(JOC)臨界事故。1999年に住友金属鉱山の子会社、JOCで起きた臨界事故による被爆治療を追い、被曝が人体にどのような影響を及ぼすのか。助かる見込みがほとんどないとされる患者に対する延命治療の是非等がポイントになった一冊である。この中でも、私が特に驚愕したのが、被害者の大内さんが被曝した量とその原因である。まず、原因については、ウラン燃料加工の際に「正しい手順を守らなかったために」ウランが臨界を起こし、チェレンコフの光と呼ばれる中性子線に体が貫かれてしまったのだ。中性子線は放射線の中でも、最もエネルギーが強い放射線であり、その際浴びた放射線量は20Svにも到達していたそうだ。原発問題に揺れる今ならその数字が示すものが良く分かるだろう。人間が一年間に浴びる限度とされる1mSvの2万倍に達する量である。大内氏は被曝直後に逃げだそうとしているが、その瞬間に嘔吐し意識不明の状態に陥っている。

しかし、放射線の本当の恐ろさはここからである。意識を取り戻した大内氏を医師は「外見は何の問題もなく、健康な人と変わらない。これなら救えるのではないか。」と内心で思ったそうだ。しかし、検査を進めるに連れて、バラバラに崩壊した人間の設計図DNA、白血球の異常な減少が明らかになる。さらに日にちの経過とともに、皮膚が剥がれおち、身体から数十リットルの水分が失われ、身体は大火傷のように腫れ上がって行く。医師達の中でも延命が適切かどうか疑問を抱くものが出てくるが、日本初の被曝治療という事も手伝い、行われる決死の延命活動と、それを力強く見つめる家族。同時に朽ちていく大内氏の命。
様々な交差する想いが描かれている事に本当に考えさせられる1冊である。

ちなみに、私は、この記事を通じて反原発とか、原発擁護とかの話をするつもりはないので悪しからず。1つだけ言うとすれば、理由はともかくとして守られなかった手順書。常用化した裏マニュアル。これからの原発処理で、早くしろとの圧迫。コストの問題により、同じような簡略化されたマニュアルが出てこない事を祈るばかりである。この事故は必ず教訓にしなければいけない。



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