コモディティ化するもの | あんぷり亭の常連

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 日本の製造業が元気がない原因として、あげられているのが製品がコモディティ化しており、どこでも、だれでも作れるものになってしまったという点が挙げられます。これは、製品というか、新興国(特に中国、韓国)の生産能力が上がってきたことも一つの要因ですので、日本だけが悪いわけではないと思うのですが。

ただ、日本が高度成長期の思い出にひたって、いい製品を作れれば、売れるという幻想の中にいたことは否定できないと思います。

それに対して、アップルなどは、製品自体の性能としては大したものではないけれど、製品だけではなく、サービスも含めた商売の仕方を発明しました。それが音楽配信やアプリなどで高収益を稼ぐモデルとなったわけです。

だから、日本はモノづくりばかりにとらわれず、アップルを見習った高収益サービスを展開しなさいっていうのが一般的な定説だったと思います。

しかし、ですよ。

前々回の記事でも書きましたが、日本が世界に向けて輸出している製品のうち、資本財が多く、生産するための設備やら、高付加価値の工業原料が大半なんですね。

だから、高機能製品ばかり追求している日本企業の姿勢が間違っているとは到底思えません。日本でしか作れないからこそ、円高になっても、新興国は輸入に頼るしかなかったんですから。

そこで、今回の記事では、何がコモディティ化する要因となるのか考えてみます。

構造が単純。例えば、スマートフォンでしょうか。あんなもんは液晶と基盤さえあればできちゃいます。(じゃあ、作れと言われたら無理ですが)。さらに、その液晶と基盤の値段はすでにマーケットが世界中にあるため、特別な技術でもない限り最低の値段まで下がっているのが現状です。、

目に見えないノウハウがない。これも電子機器が該当します。その逆の例として、清涼飲料水とかは、ペットボトルと中身の飲料なんて、簡単に作れますが、自動販売機やコンビニなどの流通網から、ブランドイメージの構築など、一見簡単そうに見えますが、参入するためには、長い年月と莫大な投資が必要でしょう。

マーケットが大きくない。これも実は結構重要な点です。マーケットが小さいと投資を行って、その分野に打って出ようというライバル企業がでてきにくい状態になります。先行している企業がいる場合には、その企業のシェアを奪うという形で参入する格好になりますが、シェアを奪うということは、先行企業よりもより良い製品を出す必要があります。しかし、その投資額が大きすぎると、例え、先行している企業のシェアを奪えたとしても、利益が投資額を下回ったのでは、ビジネスとして成立しません。

こんなところでしょうか。

だから、企業がモノづくりをしようとするときには、なるべく複雑な構造で他社がまねできないもので、目に見えないサービスによって、付加価値を生み、それほど市場が大きくないところで勝負すればよし。

・・・・なんか、最初の結論とほとんど同じっていうか、最後の一文のせいで、ずいぶんみみっちい話になってしまったかな。