安い賃金の実態 | あんぷり亭の常連

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中国が世界の工場となることに必要な条件である、安い賃金ですが、そもそも賃金が安いってどうゆう状態でしょうか。

単純に通貨が安いことが重要です。

通貨が安いということは、通貨価値が低いという意味です。

通貨価値とは、その国の稼ぐ力によって担保されています。

その国の稼ぐ力とは、生産性です。

生産性が低い国の通貨は、通貨価値が低く評価されます。

それでは具体的に中国について考えてみましょう。

中国の生産性は、日本からの資本財の輸入と海外企業からの進出によって高められてきました。
しかし、中国はドル/元レートにおいて、輸出する際の条件をよくするため、意図的に元安に誘導しております。その元安誘導の方法として、大量に元を刷って、元の価値を希薄化させ、ドルを購入します。

そこで問題なのは、インフレ率です。元が大量に刷られれば通貨が大量に市中に出回るため、通貨価値が下がり、物価は上昇してしまいます。

ここで問題なのは、確かに対外的には通貨安のため、輸出条件はよさそうに見えるが、物価が上昇しているため、賃金もそれに比例して上昇しているため、通貨安の恩恵は受けません。

つまり、もう中国が世界の工場という立場を維持できなくなっているのです。

下記が中国の平均賃金の推移と賃金上昇率です。



ちょっとびっくりするくらいの上昇率ですね。ほとんど10%上昇は当たり前です。

そのため、為替レートをいじっても、インフレ率が高まってしまえば、安い賃金による優位性はなくなってしまうのです。

ちなみに1ドル=96円にて、円換算してみます。



約10年くらいで3,5倍になっております。

ちなみに日本の平均年収と比較してみます。



さすがに、日本の平均年収とは10倍くらいの差はありますが、日本の年収がここ10年で微減しております。

これほどの価格差があるにも関わらず、日本で生産する企業がいるのは、日本のインフラが整備されており、生産性が高いことと、治安などのリスクが低いことが理由ではないでしょうか。

とりあえず、中国の優位性は安い賃金でしたが、為替レートを維持しても、インフレ率が上がってくるため、あまり意味がありません。
そのため、中国は今岐路に立っていると思います。本来とるべき道は、再分配政策を実施して、中国の市場を大きくして、輸出への依存度を減らす。さらに、為替レートに関しては変動相場制を受け入れ、為替介入をしない。

この政策がとれるかどうかが、中国の今後の運命を決めると思います。