Ⅰ.分類
1.誤認類型
優良誤認
2.表示媒体
ウェブサイト、動画広告
3.業界
その他
Ⅱ.違反行為者
株式会社DYM
Ⅲ.措置命令の概要
⑴ 対象役務
ア 「DYM就職」と称する就職支援サービス(以下「本件役務①」という。)
イ 「DYM新卒」と称する就職支援サービス(以下「本件役務②」という。)
⑵ 対象表示
(ア)表示媒体
a 本件役務①
(a) 「DYM就職」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウェブサイト①」という。)
(b) 別表1-1ないし別表1-4「表示媒体」欄記載のアフィリエイトサイト
b 本件役務②
(a) 「Meets Companyミーツカンパニー」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウェブサイト②」という。)
(b) 「YouTube」と称する動画共有サービスにおける動画広告
(c) 別表2-1ないし別表2-3「表示媒体」欄記載のアフィリエイトサイト
(イ)表示期間
a 本件役務① 別表1-1ないし別表1-4「表示期間」欄記載の期間
b 本件役務② 別表2-1ないし別表2-3「表示期間」欄記載の期間
(ウ)表示内容
a 本件役務①(別紙1-1、別紙1-2、別紙1-3ないし別紙1-5、別紙1-6ないし別紙1-8)
ないし別紙1-8)
(a) 別表1-1「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、本件役務①の提供を受けた求職者のうち、DYMから紹介を受けた企業に就職した者の割合は、96パーセントであるかのように示す表示をしていた。
(b) 別表1-2「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、本件役務①においてDYMから紹介される就職案件には、人材派遣会社から派遣先企業に派遣されて業務に従事するものは含まれないかのように示す表示をしていた。
(c) 別表1-3「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、DYMは、2,500社以上の求人情報を有しており、当該企業数の求人情報の中から求職者に企業を紹介することができるかのように示す表示をしていた。
(d) 別表1-4「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、書類選考なしで、DYMから紹介される全ての企業の採用面接を受けることができるかのように示す表示をしていた。
b 本件役務②(別紙2-1ないし別紙2-4)
(a) 別表2-1「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、本件役務②に含まれている「Meets Company」と称するイベント(以下「本件イベント」という。)に8社の企業が参加するかのように示す表示をしていた。
(b) 別表2-2「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、本件イベントに参加した求職者のうち、企業から就職の内定を取得した者の割合は、同表「内定取得率」欄記載の95.8パーセント又は90パーセント以上であるかのように示す表示をしていた。
(c) 別表2-3「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、DYMは、2,500社以上の企業の求人情報を有しており、当該2,500社以上の求人情報の中から求職者に企業を紹介することができるものであり、また、就職活動中の学生の4人に1人が本件役務②を利用しているかのように示す表示をしていた。
イ 実際
(ア) 本件役務①
a 前記ア(ウ)a(a)について、96パーセントという数値は、DYMが任意の方法で算定した、特定の一時点における最も高い数値であった。
b 前記ア(ウ)a(b)について、本件役務①においてDYMから紹介される就職案件には、人材派遣会社から派遣先企業に派遣されて業務に従事するものが含まれていた。
c 前記ア(ウ)a(c)について、平成30年5月1日以降、DYMが有している求人情報は、最大2,000社程度であって、2,500社を下回るものであった。
d 前記ア(ウ)a(d)について、採用面接を受けるには書類選考が必要な企業があった。
(イ) 本件役務②
a 前記ア(ウ)b(a)について、令和3年10月22日から同年12月31日までの間に開催された本件イベントについて、参加企業数が8社であった回数は、1割未満であった。
b 前記ア(ウ)b(b)について、95.8パーセント又は90パーセント以上という数値は、DYMが任意の方法で算定した、特定の一時点における最も高い数値であった。
c 前記ア(ウ)b(c)について、平成30年5月1日以降、DYMが有している求人企業数は、最大2,000社程度であって、2,500社を下回るものであり、また、DYMが関係する各種サービスに登録している者を含めて本件役務②の利用者として算定したものであって、就職活動中の学生の4人に1人が本件役務②を利用しているものではなかった。
⑶ 命令の概要
ア 前記(2)アの表示は、前記(2)イのとおりであって、それぞれ、本件役務①及び本件役務②の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。
Ⅳ.メディアの報道
DYMは「相談からの就職率驚異の96%!!」と表示するなどしたが、消費者庁が調べたところ、同社に相談した上で仲介を受けた企業に就職した人の割合は21年度で15%程度だった、と報じている(朝日新聞)
Ⅴ.薬事法ドットコムからのコメント
DYMは数多くのアフィリエイトを使っていたが、そのアフィリエイトサイトがそのまま措置命令中に盛り込まれているのは初めてのこと。
今後のアフィリエイトサイト絡み措置命令はこうなるのかもしれない。