前回は雨の空港を舞台にした曲 を取り上げましたが、今回は雨の駅を舞台にした曲・・・
という、ちょっとベタな展開ですがどうか大目に見て下さいね。
ハイ・ファイ・セットも歌っていますが、今回は楽曲提供者でもある
荒井由実さんの歌で「雨のステイション」を。
1975年6月に発売されたアルバム「COBALT HOUR」に収録されている曲。
作詞・作曲:荒井由実さん。
今も恋しい人、なのでしょうか。
おそらく「わたし」のもとを去っていった人。
叶うならばもう一度腕の中にかけていきたい。
霧に煙る「雨のステイション」に滲んでいく慕情。
♪雨のステイション
♪会える気がして
♪いくつ人影見送っただろう・・・
野口五郎さんの「私鉄沿線」 にも通じる世界でしょうか。
♪伝言板に君のこと
♪僕は書いて帰ります
♪想い出たずねもしかして
♪君がこの街に来るようで・・・
♪新しい誰かのために
♪わたしなど 思い出さないで・・・
抱きしめたいような愛おしいフレーズ。
と同時に、これと対になりそうなフレーズも思い浮かびます。
「DESTINY」
♪冷たくされて いつかは
♪見返すつもりだった・・・
♪好きだったのよあなた 胸の奥でずっと
♪もうすぐわたしきっと あなたをふりむかせる・・・
「雨のステイション」では他の誰かのためなのであれば、私のことを思い出して欲しくない、という気持ち。
一方、「DESTINY」と「まちぶせ」では、他の誰かに向いているあなたの気持ちをこちらに向けさせてやりたい、という気持ち。
”様々な女性像をそれぞれ別々の曲にした”ということも言えそうですが、
”同じ女性の微妙な心理を異なる角度で表現した”などと言えるのかも知れません。
私自身は後者に興味が。
絶えず人は葛藤し、或る幅の揺らぎの中を漂っていて、その時々のちょっとした条件の違いでいろいろな感情が湧き起こってくる。
同じユーミンの作品となる「雨のステイション」と「DESTINY」・「まちぶせ」と対にして見てみると面白いな、そんな風に思っています。
もっとも主人公の置かれている条件の違いは考慮に入れてみる必要はありそうですね。
この曲では「六月」の風景として描かれています。
でもこの曲の原風景は秋から冬にかけての早朝の霧の風景だということのようですね。
夜通し踊りあかした後、始発電車で帰る時にしばしば見られた霧の風景。
今はこの駅の近くには規模の大きい公園ができていて、すっかり様変わりをしているようです。
この駅のそば、公園の入り口付近に
「雨のステイション」の歌碑があります。
また、この駅の発メロには期間限定で「雨のステイション」の使用が企画されましたが、現時点(2008年6月)でもその発メロは使われているようです。
ただし、オリジナルの曲よりはかなり「忙しい」感じなので、少し印象は違いますが。
この駅はユーミンファンにとっては「山手のドルフィン」と並ぶ聖地の一つでしょうか。
試聴はこちら
でできそうですよ。
このシリーズ、あと4曲。
では、バッハッハーイ!