この曲は多分、井上陽水さんの曲の方を先に耳にしたと記憶しています。

1970年代の後半のことだったでしょうか。


大ヒットしたアルバム「氷の世界」(1973年12月発売)に収録されている曲。


陽水さんの曲、というイメージが強かったのですが、たまたまラジオから流れてきたのが小椋桂さんの「白い一日」。


調べてみたら、小椋桂さんが作詞でした。


作詞:小椋桂さん、作曲:井上陽水さん。


小椋桂さんは1974年1月にこの曲でシングル盤を出しています。


陽水さんが他の人の詩を曲にするのはあまり知らなかったので、随分驚いたものでした。


同様に、小椋桂さんも他の人が書いた曲を歌うという点でも新鮮。


小椋桂さんと井上陽水さんというと意外な組み合わせのように思っていましたが、驚くほどうまく噛みあっているという印象。


この曲だけではなく、「坂道」も小椋桂さんの作詞でしたね。


いかにも陽水さんの詩の世界のように思っていましたが、これも小椋桂さんの作詞だとしてびっくり目


この二人は随分個性の違うアーティストだと思っていましたが、音楽的に意外と「ウマの合う」ところがあるのでしょうね。


雪 雪の結晶 オバケ 雪の結晶 雪


真っ白な陶磁器を 眺めてはあきもせず・・・


真っ白な陶磁器を眺めて明け暮らす一日。


白い一日。


というよりは。


なすことなく過ぎていく空虚な一日を「白い」と表現したのでしょうか。


手紙をやぶりすてて寝転がって、ありふれた幸せをよしともせず。


ただただ過ぎ去っていく一日。


昨日、たまたま記事にした西崎みどりさんの「さざなみ」 にも通じるところがあるように感じています。


「さざなみ」のフレーズ。


しらけた季節の匂いがするわ・・・


「白い一日」。


しらけた、空虚感につつまれた一日。


陶磁器の白はその気分が象徴されている色でしょうか。


雪 雪の結晶 オバケ 雪の結晶 雪


ある日踏み切りの向こうに君がいて・・・


この一連のフレーズも印象的ですね。


遮断機が下りて、汽車が通り過ぎて、
そうして遮断機が上がった頃には、
「君」は大人の顔をしている、という。


僕の時間はゆったりと流れているのに、「君」を初めとした外の世界はどんどん移ろっていく。


その時の流れに取り残されたような疎外感。


大塚博堂さんの歌にもよく見られる世界だと感じています。


雪 雪の結晶 オバケ 雪の結晶 雪


大変なスピードで移ろっている世の中。


そんな中でこそ、ゆるやかにひと時を過ごすということも大切ではないか。


そういう想いを強くすることも多いですね。


といっても流されてしまうのですが・・・あせる


耳試聴はこちら でできそうですよ。


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白い情景