もう 終わりだね・・・

歌いだしから「もう 終わり」ですか?

と最初聴いた時は、ええっ、と思ったことを今も覚えています。

1979年12月発売の曲。

作詞・作曲:小田和正さん。


この曲が発売されるや否や、年が暮れゆくとともに驚くような勢いで火がついて、71万枚を超える大ヒット曲になりましたね。

しっとりとした歌いだしから、♪ズイーン ズイーン♪という重低音の迫力満点の展開へ、そして締めはまたしっとりと歌い上げて。

この曲に魅了された方はたくさんいらっしゃることと思います。


    


この1979年の年の暮れ。

丁度1970年代の終わり、ということもあって、ラジオ番組ではよく1970年代の音楽シーンを回顧する番組が放送されていました。

私にとって1970年代というのはまさにリアルタイムで同時代の音楽を存分に楽しんだ10年間。

さすがに1970年代の前半は記憶が定かでないところが随分あったのですが、それでもこの1979年当時には後追いで記憶のほころびを「補強」していましたし、中盤から後半にかけては時代の申し子のように同時代の音楽にずっぽり身を置いていましたから、この1970年代の音楽シーンの回顧番組はとても魅力的な企画でした。


これらの番組でお約束のように「1979年代の締めくくりの曲」として紹介されていたのが、そのタイトルもぴったりだったこともあってでしょうか、オフコースの「さよなら」でした。

    

オフコース。


私は小田和正さんと鈴木博康さんの二人でアコースティックな匂いがする頃の曲が好きでした。

小田さんの声はハイトーンで、クリア、シャープな感じでしょうか。
うまく表現できませんが。。。


ともかく小田さんの声質はアコースティックな音に合っているものだと思っていたのですが、「愛を止めないで」の頃から曲の傾向が変わってきて、そしてこの「さよなら」。

私の先入観を覆すような曲。

ああ、こういう曲にも小田さんの声は合うんだなあ、ヒットするのもなるほど、なんて思ったものでした。

これ以前にもファンの多いオフコースでしたが、この「さよなら」以降、ファン層をうんと広げて、その後のご活躍はここで記すまでもありませんね。

以前の曲に愛着を覚えていた私には嬉しさと淋しさが入り混じったようなちょっと複雑な想いが交錯していました。

    



以降のオフコース。新しいファンの皆様にお任せ。さよなら。


同時代の音楽。新しい時代の申し子たちに託して。さよなら。


今までの自分。さよなら。


そして・・・別の扉を開けて。 新しい自分に、こんにちは。


    


耳試聴はこちら でできるようですよ。



◆同じタイトル、似たタイトル