前作「サクセス/愛しのティナ」で再びヒットチャートの上位を賑わせたダウン・タウン・ブギウギ・バンド。
そして一転してしっとりと聴かせるこの曲「身も心も」。
1977年9月発売の曲。
作詞:阿木燿子さん、作曲:宇崎竜童さん。
この曲の発売当時、FMラジオの番組、確か「ニューミュージック・ナウ」で、音楽評論家の伊藤強さんがこの曲を「ちょっとこわい感じのお兄さんたちが歌う大人の曲」というような表現で評していたと記憶しています。
まずイントロ。
泣きが入っているエレキに、高らかに鳴るピアノ。
これでひとしきりこの曲の世界にどっぷり浸かっているところに、静かな歌いだしの部分、ささやくような歌声。
「起」・「承」と続いて「転」の部分でエレキ/ピアノで盛り上がり、ボーカルも熱を帯びて、「結」へなだれ込んでいく流れはなかなか。
深く静まりかえる夜がやがて白んでいく様を、「犬の遠吠え」や「サイレン」の音で描写しているのも味があります。
「転」の部分の詩も味わい深いですね。
雰囲気のある曲に、大人の味わいのする詩。
この曲を聴いた当時は、まだまだ「大人」にはほど遠い年齢でしたが、「大人」というものに憧れていた頃ではありました。
毎日のように「早く大人になりたい」と願っていた頃、大人の世界をこの曲でイメージして味わっていたような記憶があります。
「港のヨーコ~」や「サクセス」ほどのヒット曲にはなりませんでしたが、多くのファンが支持する曲だと思っています。
秋の夜長に似つかわしい曲。
もし眠れないなら、夜の帳(とばり)が開くまでこの曲を堪能なさるのもまたいいのではないのでしょうか。
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でできるようですよ。