この前、薬師丸ひろ子さんの曲に関する記事
を投稿した記念に、彼女のテレビドラマデビューの番組の記事を少々。
1978年5月25日から7月6日まで、毎週木曜日夜9時からテレビ朝日系で放送されていた番組。全7回。
出演者は、
森光子さん、三浦友和さん、松原智恵子さん、水沢アキさん、
薬師丸博子(新人)さん、野上祐二(新人)さん、千石規子さん、
榊千代恵さん、二瓶正也さん、山城新伍さん、大坂志郎さんほか。
脚本:松木ひろしさん、音楽:いずみたくさん、演出:山内和郎さん。
番組宣伝広告の謳い文句を以下に記しますと。。。
さあ、大変!親同志が結婚・・・三人姉妹と三人兄弟が
一つ屋根の下で暮らすことになりました。
さていかがあいなりますか!!
今晩夜9:00 さわやかにスタート!
波乱万丈!泣いて、笑って、チョッピリおセンチに...
大坂志郎さんと森光子さんが扮する男女がそれぞれ3人の子どもを連れて結婚したのはいいけれど、子どもの側としてみればいきなり一緒に暮らすことになったわけで、さあ大変、というお話のようですね。
このドラマの「子ども」はもう既に相応の年齢になっているわけなので、なかなか自分たちの生活スタイルを変えられないために、いろいろとトラブルが生まれて、というのがこのドラマの見所なのでしょうか。
脚本の「松木ひろし」さんは、先日鬼籍に入られた「石立鉄男」さんが主演の「おひかえあそばせ」に始まる日本テレビ系20時放送開始のホームコメディのシリーズのメインライターともいうべき方だと認識しています。
その一連のドラマの特徴の一つは、ある家族が平穏に暮らしていた中で、何らかの事情で「他人」が同居することになって、その状況の中で繰り広げられる人情喜劇だと思っています。
いわば「異文化の衝突」によって生じるおかしみ/かなしみでしょうか。(流石に文明の衝突、とは申しません。)
「異文化の衝突」によって生じる家族の「化学反応」の面白さを、シリーズを通して描いているような印象を持っています。
ということはこのドラマで扱っている「異文化の衝突」は、松木ひろしさんにとっては手馴れたテーマ、ということのようですね。
さらには、このドラマでは、「3対3」という数字上はイーブンな状態で始まり、いろいろな軋轢を生じさせながらも暮らしていくうちに、それぞれの陣営がある時は優勢になったり、ある時は劣勢になったり、と集団のパワーバランスの転変の面白さも加味されているもののようです。
実はこのドラマ、この放送時期よりも10年前のドラマのリメイクです。
そのオリジナルのドラマの名前は現時点では調査中なのですが、判明次第ご紹介したいと思っています。
10年の時を経てリメイクしたからには、相応の手応えがあったのでしょうね。
全7回放送というのは連続ドラマとしてはいかにも短いようですが、その分密度の濃いドラマになったのでしょうか。
でも、このドラマがあまり顧みられる機会がないのは、ひとつには全7回という「短編」連続ドラマだったこともあるのかどうか。軽視されている、とか。
薬師丸ひろ子さん、このテレビドラマでデビューした時は名前が「博子」という漢字だったのですね。
この年の秋に映画「野生の証明」の大ヒットで、一躍注目の的になるのですが、このドラマ初出演当時はまだそれほど注目度は高くなかったのかも知れません。
二千人から選ばれたシンデレラガールとは呼ばれていたようですが。
脚本の松木ひろしさんの薬師丸博子さんの評。
十年前に吉沢京子ちゃんがやはり新人として、この夏子の役をやったが、薬師丸君も役ぴったりの感じ。ちょっぴりおませで、それでいてかわいくて。
まだどれだけ光輝くかを見定められないダイヤモンドの原石というところでしょうか。
薬師丸ひろ子さんのデビュー作としても、もう少し注目をされてもいいようなドラマだと思いますので、何らかの機会で再放送してもらえないかな、なんて密かに思っています。
CSに加入していないので是非地上波で
***
《2009/2/26追記》
この番組の10年前のオリジナルドラマについて触れるのを永らくさぼっていました。
ごめんなさい。
そのオリジナルドラマの題名は・・・
”フルーツポンチ 3対3”
1968年11月28日から翌年1月9日まで
NETにて毎週木曜日22時からの放送(全7回)。
そう、同じ”ナショナルゴールデン劇場”ですね。
しかもこの枠で”フルーツシリーズ”が続いていたようで、
この”フルーツポンチ 3対3”はシリーズ第4弾。
原作・脚本は松木ひろしさん。
出演者は・・・
星由里子さん、高峰三枝子さん、川崎敬三さん、山口崇さん、
大坂四郎さん、弓恵子さん、吉沢京子さん、山本紀彦さん、
千石規子さん、ほか。
新聞に掲載されていた番組宣伝広告は・・・
”ナショナルゴールデン劇場◆フルーツシリーズ第4弾!
親同志の結婚でさあ大変!
3人姉妹と3人兄弟が一つ屋根の下で
暮らすこととなりました・・・さて?”
10年後のリメイクドラマの番宣とほとんど同じなのが微笑ましい(笑)
大坂四郎さんはオリジナル版でもリメイク版でも同じく再婚する父親役なんですね。
千石規子さんも同じ役どころだったのでしょうか?
さて、高峰三枝子さん演じる成子の三人の娘の名前に注目してみました。
長女:冬子(弓恵子さん)
次女:千春(星由里子さん)
三女:夏緒(吉沢京子さん)
娘の名前が季節に因んでいる点で、後に松木ひろしさんがメインライターとして手がけるドラマ
”雑居時代”を想起させるのが興味深いところ。
以下、ご参考。
第一回「宣戦布告」 1968/11/28放送
第二回「敵前上陸」 1968/12/5放送
第三回「全面戦争」 1968/12/12放送
第四回「孤軍奮闘」 1968/12/19放送
第五回「戦局混沌」 1968/12/26放送
第六回「和平工作」 1969/1/2放送
第七回「全面講和」 1969/1/9放送