曲にほとんど関係の無い記事、というのはいつものことなのですが、今回はいつも以上に輪をかけてしまいそうですので、冒頭にお断りしておきますね。
この曲と出会ったのは、今から十数年前のこと。
いつもは沈着冷静()な鍋町奉行の与力ですが、たまにはウサでも晴らしたい、ということで「今日はぱあ~っといきましょう」とお勤めが終わった後に、友人を誘い合って、よく紅白歌合戦などを敢行したりしていました。
この場合の「ぱあ~っと」というのは、「景気よく散在する」という意味ではなくて、気分の問題だと思っていただいた方が正確です。
そんなある、何回目かの紅白歌合戦の時に、「どこまで交友の輪が広がるか」と参加メンバーの友だちの友だちも誘い合わせて集まりましたが、集まってみると顔ぶれも随分違って面白い構成になりました。
中には私からみて随分若い世代(といってもせいぜい5~6年年下なのですが)の方もいて、同世代の人と集まっても歌う歌が違う私は「彼/彼女たちの歌がわからなかったらどうしようか」と正直心配していました。
始まってみると、やはり私の選曲は、若い世代の方たちには「」だったよう(しかし後になると「
」の模様)でしたが、彼/彼女たちが歌った曲も私にはやはりわからず、どうせ知らないのなら、それなりに楽しくやろう、と開き直っていた時に、この曲「メタモルフォーゼ」。
し、知らない、この曲も。。。
でも曲のタイトルが何やら印象的で、まず曲名はすぐ覚えてしまいました。
さて曲が始まってみると。。。
随分ノリのいい曲。
阿波踊りではないですが、同じ聴くなら騒がにゃソンソン、とばかりに彼女の歌に、掛け声、手拍子と合いの手を入れて、バックアップ軍団(←ひとりですが)となって場を盛り立てましたら、歌っている彼女も随分調子が出てきたらしく、エンジン全開状態。
歌い終わって、彼女も達成感があったのでしょうか、「私やりました」という表情。そして合いの手を入れていた私に「盛り立ててくださってありがとうございます」と感謝の言葉。かなり恐縮。
この曲を知らなかった私は当然のように「誰の曲」と尋ねましたら、「工藤静香です。えっ、知らなかったんですか
」との逆質問。
随分調子にのって合いの手を入れていたものですから、彼女はてっきり私がこの曲をよく知っている、と思っていて、それだけに「知らない」と聞いて意外だったようでした。
「メタモルフォーゼ」「工藤静香」が私の中で一体となったこの時。
工藤静香さんの曲はよく売れていたから、この曲についても耳にしたことぐらいはあったのかも知れません。でも私の意識の中では初めて聴く曲だったのですね。
調べてみたら、1991年10月発売で売り上げは44万枚の大ヒット曲。
なのに知らなかったなんて、当時すでに流行の音楽に鈍感になっていたのかがよくわかります。
「メタモルフォーゼ」。この不思議な響きのする言葉をあの時記憶することになったのですが、しばらく記憶の片隅に追いやられていました。
でも最近になってテレビ画面の中から「メタモルフォーゼ」という言葉が流れてくるではありませんか。
日曜の朝、テレビのチャンネルを変えていた時、偶然耳にしたこの言葉。
この言葉を聞いて、あの十数年前のことがフラッシュバックのように甦りました。魔法のような言葉。
因みにこの言葉、「変身」を意味する、フランス語なんですね。妙に納得。
作詞:松井五郎さん、作曲:後藤次利さん。