1975年2月14日夕刊の新聞記事を転載します。
===以下、新聞記事===
息が合うきょうだい歌手
案外多く長い寿命
新しいスタートを切ったことしの歌謡界。新人にしろ、ヒット曲にしろ、まだ目立った動きはないようだ。増沢末夫騎手の「さらばハイセイコー」のヒットは話題だが...。
ところで、歌謡界には、きょうだいで組んで活躍している歌手たちは案外多い。さすが血の通った同士だけに離合集散は少なくて、息長く続いている例がほとんど。真っ先にあげられるのはザ・ピーナッツ。三十四年の四月、「可愛い花」がデビューだから、間もなく十七年目というベテラン。相変わらずのペースで、三月には新曲「浮気なあいつ」が出る。
一時、病気などで歌手活動から離れていたこまどり姉妹。十六日には、東京・国際劇場で久しぶりの公演が行われる。これを機会に再出発、新曲は自作の「夢はふたたびもどるまで」。三十四年の「浅草姉妹」がデビューだ。
同じ姉妹コンビでは、昨年デビューのふるさと姉妹。「津軽女は泣いていた」で、ただ今全国をキャンペーン中。
また演歌路線で「女のみち」で大ヒットを飛ばしたご存じぴんから兄弟。現在では「女のちかい」を歌っている。
人数が多いのではフィンガー5(五人)、ヤン・シスターズ(四人)、ハニー・シックス(六人)など。フィンガー5はすでに「個人授業」「恋のダイヤル6700」などのヒット曲があり、いまは「華麗なうわさ」。
ハニー・シックスはムードコーラスで、昨年秋に「朝がえり」を出している。
またヤン・シスターズは台湾出身の姉妹で、「お気に召すまま」が出ている。
四十四年のデビュー曲「白いブランコ」がヒットして以来、地味だが幅広いファンを持っているビリー・バンバン。「やさしい雨」で、例のソフトな感じを出している。
”天才登場”のキャッチフレーズで三年前にデビューしたチューインガム。世界歌謡祭によく出場している。最新作は「チャップリンに愛をこめて」。
子どもを中心に人気のあるリンリン・ランラン。「涙のインディアン人形」から「恋のバッコンNO1」に移行した。
他にキャシー&カレン「学校のお庭の木の上で」や、デビット&ミッシェル「菩提樹の丘」などがいる。
最近では、かぐや姫とか赤い鳥などのグループが”発展的な解散”をした。
ところが、兄弟姉妹となるとその例は少なく、みんな長持ちだ。七年目を迎えるビリー・バンバンの菅原孝・進兄弟。「仕事をしているときは兄弟は考えない。議論はよくするけど、ある一点で踏みとどまって、いいたいことをガマンすることがある。そこが兄弟で、お互いの気持ちもよくわかるし、多少の遠慮があるのかな。これが友人だったら、スパッといい切って、グループなら解散となるわけ...。それに、家庭が別々にあることが救いになっているのかも知れない。夫婦だったら大変だと思うよ」
★新人です
「純愛」でデビューした片平なぎさ(東芝=写真)。まだ十五歳と若いが、割合おとなっぽい歌に挑戦している。例の「スター誕生!」(NTV系出身)。「歌は好きだったけど、まさか自分が芸能界へはいるとは思わなかった」という。人見知りしない感じだ。
▽K・アンナ「花の誘惑」(キング)▽加藤知典「朝のかもめ」(ビクター)▽山口昌史「悲しい噂」(RCA)▽野いちご「春なのに」(テイチク)▽美吉まり「初恋の制服」(ミノルフォン)▽ジャニーズ・ジュニア・スペシャル「ベルサイユのばら」(CBSソニー)▽月丘ゆみ「バラの祭壇」(クラウン)▽小沢深雪「さすらいの唄」(キャニオン)▽朱鷺あかり「あなたを追って」(東宝)
===以上、新聞記事===
ザ・ピーナッツのお二人はこの新聞記事の後、ほどなくして引退発表をするのですね。
フィンガー5、リンリン・ランラン、ビリー・バンバン、チューインガム...。
懐かしい名前が出てきます。
新人で片平なぎささん。今は女優さんとしてご活躍ですね。
小沢深雪さんのお名前も見られます。