卒業シーズンということもあって、この曲、このアルバムを記事にしています。
フォーク界を牽引してきたビッグネームの一つ「赤い鳥」から分離して、ハイ・ファイ・セットとして初めて出したアルバム、「卒業写真」。
(1975年2月発売)
アルバムの中心はもちろんタイトルにもなっている「卒業写真」。
シングルでも発売されました。
作詞・作曲:荒井由実さん。
荒井由実さんも歌っていましたね。
悲しいことがあると 開く皮の表紙
卒業写真のあの人は やさしい目をしてる
何とも切ない感じがしますね。私も気持ちが沈んでいるとき、懐かしいアルバムを見ては気持ちを癒したりすることがあります。
もちろん「卒業写真」も。
町で見かけたとき 何も言えなかった
卒業写真の面影が そのままだったから
このような思いはしたことはないですね。
私の場合、自分から声をかけますから。
ここまで繊細な心ではない、ということでしょうか。
でも「卒業写真の面影と違い過ぎて、声もかけられなかった」とは言われないようにしなくては。
人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くで叱って
ちょっと甘えんぼさんですね。この歌の主人公は。
でも気持ちはわかります。
話しかけるように 揺れる柳の下を
通った道さえ今はもう 電車から見るだけ
私は、懐かしい通学路を、今でも思い出したように歩くことがあります。
仮に風景が様変わりしても、心象風景は変わらないんですね。
あの頃の生き方を あなたは忘れないで
あなたは私の 青春そのもの
これを言われたら嬉しくもあり、重くもあり。
あなたはどちら
エンディングでの三人のハーモニーが、またいいと思います。
さてこのアルバム、私は買いましたが、今は押入れの奥深くにしまいこまれて、なかなか手に取ることが出来ません。
レコードプレイヤーのターンテーブルが故障してしまって、今ではこのアルバムを聴くことも叶いません。
しかも、ダビングしたテープを友だちに貸したのですが、その友だちは引越しを重ねて今では音信不通。
こうなったら、レコードプレイヤーを新調するしかないのですが、懐事情が。。。
アルバムの収録曲は以下の通りです。
・オーヴァチュア
・エイジズ・オブ・ロック・アンド・ロール
・卒業写真
・胸のぬくもり
・今日と明日の間に
・大きな街
・美術館
・十円木馬
・フィッシュ・アンド・チップス
・海を見ていた午後
・愛の花咲く道
「オーヴァチュア」って何?と当時疑問に思って調べたら「序曲」の意味であることがわかり、勉強になりました。
その「オーヴァチュア」。
いきなり何が始まるのと戸惑っているうちに、ロックンロールのリズムに。
「エイジズ・オブ・ロック・アンド・ロール」。
その次の曲が「卒業写真」ですから、それはもう、初めて聴いた時はそれこそ右往左往しました。
収録曲の中では「海を見ていた午後」は荒井由実さんも歌っていらしてあまりにも有名なのでここでは触れませんが、
「胸のぬくもり」「大きな街」「愛の花咲く道」は実にみずみずしいという印象を持っています。
まずベスト版には収録されることの無い曲だけにかえって愛着があります。
記憶に誤りがあるかもしれませんが「大きな街」の歌いだし「少し時間を割いてください」が気に入っているフレーズです。
ああ、やっぱり、地道に貯金して、レコードプレイヤーを買います
そしてこのアルバムを聴きます
でも出来るかな、地道な貯金。
懐の寒さからは「卒業」したいところです。
◆卒業