合格者講義を購入してくださった方から、付録の論証ランク表についての質問ありました。せっかくなので,この場で付属論証ランク表についての補足説明をしたいと思います。
いただいた質問と回答は以下の通りです。
①論証ランクのBとCの位置づけはどの程度の重要性なのでしょうか?
ランクの位置づけとしては,
A+,A …多くの受験生が正確な論述をしてくる論点.。論点落ちや,不正確な論証をすると,大きく失点してしまい、当該科目が不合格答案になる恐れが生じる
B・・・受験生の半分程度が,論点を抑えて最低限の論述をしてくる。この論点を落としたからといって,直ちに答案が不合格答案になることはないが,合格するためには、一定程度抑えるべき論点。
C…受験生のうち,正確に論点を抽出して、記述できるのが、1~2割の論点。
落としたからといって深手を負うことにはならない。
という感じになります。
①ー2 また、何個かランクが掲載されていないもの(例えば会社法423条の消滅時効や過失相殺)があったのですが基本的にCでしょうか?
基本的には,三倍速付属の論証集については、すべて網羅したつもりだったのですが,アガルートアカデミーになってから追加された論証については、私自身の受験時代には,存在しなかったものなので,ランキングをつけていません。
一部、判断可能なものについては、追加しましたが、追加しきれなかったものがあったのかもしれません。(ちなみに,現時点で、消滅時効、過失相殺については,B,Bという判断です。)
②出題予想というのは何らかの情報に基づいているのでしょうか?
基本的には,司法試験過去問の傾向と、近時の最高裁判決の動向を基礎に予測したものです。受験勉強がベースになった、受験生の勘のようなものともいえますが。
③暗記しながら、出題予想論点及びランクAを中心にアガルートの論文問題集をやろうと思っています。BCはカットというのはカットしすぎでしょうか?
Bはやったほうがよいと思います。Cは時間がなければ,やらなくて良いかもしれません。
基本的には、Aまずは完璧に,余った時間で,できる限りB,Cの順番でマスターできるようにするとよいと思います。
④民訴ランクだけ百選だったのですが、論証だけでは足りないということでしょうか?
質問の答えを結論から示しますと、論証集だけでは不足するということなのだと思います。
民訴は、採点実感を見るとわかるのですが,論証への敵意をいまだにむき出しにしている科目です。科目特性としても、論証をそのまま張り付けて,対応できる問題はあまりでません。むしろ平成23年以降は,最高裁判例の射程を聞く問題ばかり出ています。この傾向は,さらに年々顕著になっています。論点知識自体も判例の勉強をするなかで,身に付くので,判例を中心に勉強すれば間違いないと思います。
このように、司法試験民訴に対応するためには、今や判例の学習が不可欠なものになっているため,勉強の中心は,論証集ではなく、判例百選の方におくのがよいと思います。
もっとも,論証集の勉強自体は無駄にはなりませんので,最低限の論証集記載の論点も押さえておくのが無難とは思います。