1 予備校のゼミ



 僕は、昨年度レックの論文パーフェクト答練プラスゼミ(工藤北斗先生)を受講していたので、紹介してみたいと思います。ゼミからは本当にいろんなことを学んだので、以下は本当に一部を説明するにとどまっていることにご注意ください。

 工藤ゼミは、工藤先生の方法論の良さもさることながら、ゼミの同級生が非常に優秀で、とても刺激になりました。他の人のやり方、答案からいいところを貰うとともに、10月~3月までモチベーションを維持できました。






 ゼミの進め方




 ゼミは、前半後半にわかれていて、前半は論文パーフェクト答練の設問ごとの検討と優秀答案の検討です。後半は、工藤先生が選定した問題を題材にした演習です。

 前半パートでは、答練でどの部分で差がついたかを工藤先生が説明してくれます。加えて、工藤先生が、設問ごとにABCDでランクをつけて採点してくれます。全員分の採点結果が配布されるので、他の人の評価の結果も見ることができます。このランクのイメージは、おそらく司法試験の優秀・良好・一応の水準・不良に対応しているように思えました。

 後半の問題演習パートは、工藤先生が選定した問題を23問解き(答案構成のみ)、工藤先生が指名した人が解答を説明します。1回のゼミで、1,2回は当てられるし、実力者だらけの工藤ゼミではほとんどの人が基本的なことは外さずに、きちんと答えるので、うかつなことは言えず、めちゃくちゃ緊張しました。変なことを答えないように、必死に問題を考えるので、考える力がつきます。問題は、年内は予備試験過去問やロースクールの問題といった短めの問題、年明けはレックの論文パーフェクト答練の過去問を扱いました。








3 ゼミの利点




 まず、前半の採点パートでは、工藤先生が司法試験の採点を意識した採点をしてくれます。正直、採点はとても辛くて、判例の規範を正確に書かないと、論点を拾っていても平気でD(不良)が付いたりすることもあります。規範を書いていても、あてはめが充実していないとととても悪い評価だったりします。この採点だけでも、自分の書き方の甘さを自覚できとても役に経ちました。また、他の人の答案とそれに対する評価が見れるので、ある論点だけどれくらい他の受験生が書けているのをざっとチェックしたりして、相場感覚を養いました。工藤ゼミは、優秀な人が集まっていましたが、それでも基本中の基本論点を少し聞き方をひねった形で出すと、きちんと半分くらいになってしまうことがわかり、基本の重要性を再認識できました。

 論文パーフェクト答練の問題は、答練のあと、ゼミのあとや、直前期にも何度も工藤先生の参考答案を見ながら復習したので、僕の勉強の中心になりました。ゼミで、優秀な予備試験合格者の人に、解き方のコツなどを質問して、納得の回答を得られたりしたので、このゼミと答練を併せて、今年の実力向上にとても役立ちました。

 後半の問題演習パートの問題は、年内は短めな問題を扱い、解く問題をストックするというもの趣旨なのですが、扱う問題が予備やトップローの入試問題なので、問題の質はかなり高いです。しかも、それぞれについて工藤先生の参考答案が付いているので、答案の書き方が学べます。この短めの問題は、直前期も含めて何度も何度もとき直して、身に付くまでやり込みました。年明けからの答練の過去問も含めて、この問題演習パートの論点が、今年の司法試験でも的中しまくっていたので、本当に助かりました。




4 ゼミの注意点など

 


 ゼミの値段は、年内・年明け合わせて20万円でした。これを高いと考えるか、安いと考えるかは人それぞれだと思いますが、僕は工藤先生に直接質問で来たり、優秀なゼミ同期をえられて刺激をもらえたりしたので、20万円はとてもいい買い物をしたと思っています。

 ただ、工藤先生のゼミは意識が高く、力のある受験生が集っていたので、基礎がない状態で受講すると、採点がすべてDに固まったりして、受講の意味が薄れるように思います。なので、一定の実力がないと受講効果は得られないように思いました。


 なお、今年は工藤ゼミはレックでされないようですが、他の先生が同様のゼミを開催しているようです。僕は、その先生をあまり存じ上げないのですが、一人で答練を受けるよりは、ゼミで他の人の答案を見たりしながら、答練を繰り返し復習したほうが、答練の受講効果は高いように思います。工藤先生だから特にレベルが高かったというのはあるとは思いますが、予備校のゼミはかなりクォリティーが高いとおもいました。