先日、国会で三振制が廃止され、五振制の導入と短答三科目化の導入が決まりましたね。




これの制度の導入によって、来年度受験がどう変わるのかちょっと考えてみたいと思います。

これについては、いろいろな予備校などが分析をしているので、そこを見れば足りるのかもしれませんが、今日は、ちょっと予備校とはできる限り別の切り口で考えてみたいと思います。

論文に関しては、おそらく短答で合格した5000人程度の中から、2000~1500人が合格するということで間違えなく、今までとアプローチが変わるわけではないと思っています。

一方短答については、四年目、五年目の受験生の登場および受験者の増加に加えて、三科目に科目が限定されることから、合格ラインが上昇することが予想されています。そこで、短答については、来年の様子がわからない以上、念のためにしっかり準備をして行かなければならないことになると思います。

では、どの程度の準備が必要なのか。一体何点くらいとれば良いのか。その点について、今日は考えてみたいと思います。



今のうちに注意喚起しておきたいのですが、以下分析は多分に憶測に基づく数値に依拠せざるを得ないので、正確性を保証できません。なので、一意見として受け止めてもらえると助かります。



今日、辰巳のハイローヤーの八月号を学校でコピーしてきました。

これに法務省が公表している会場の公募状況から推測される座席数を以下の表では書き込みました。





過去三年分しか調べていないですが、大体会場の公募数から1250~2200を引いた数が、受験予定者という感じに例年なっているようです。


そうすると、平成27年司法試験の会場公募者数の合計は、11700人なので、法務省の想定値から推定するに、来年の受験予定者数は、9500~10500人という感じになりそうです。

五振制導入にもかかわらず、受験生の増加は限定的なものにとどまるようです。



次に、今年と同様に受験予定者のうち、88パーセントの人が実際に受験したと仮定すれば、

受験者の人数は8360~9240人と推定できます。

今年と比較すれば、微増~1000人程度の増加になります。



おそらく、短答通過者の人数は5000人程度です。今年の合格者5080人が来年合格すると仮定すれば、

対受験者合格率は54.9~60.7パーセントになります。



今年のスコアでいえば、214~219が合格ラインになるようです。これに加えて、来年の受験層は、短答が得意な四年目、五年目の受験生が増え、短答が苦手な初回受験生が減ります。したがって、実際の合格ラインはもう少し高くなるはずです。


今年でいえば220点程度になるのではないでしょうか。

得点率でいえば、63パーセント弱というところです。



つまり、来年は今年いえば220点をとれるくらいの層が、ガチンコで憲、民、刑の三科目に絞って、走りこんでくることになります。



では、実際の合格ラインがどれくらいになるのか。

一説では、今年の問題で八割みたいな話がありましたが、そこまでは行かないどう考えても行かない気がします。七科目で63パーセントしか得点できない受験生が、三科目になったから八割得点できるとはどう考えても思えません。

ただ、七科目で、63パーセントとれた人が、三科目になると実際にどれくらいとれるのか。これはやってみないとわからない。70パーセントくらいになっても全然不思議ではありませんね。


七割得点と言ったら、七科目時代でいえば245点。今年でいえば、合格者平均は越してくることになる。しっかり、勉強すれば、決して難しい数字ではありませんが、三科目についてかなり一生懸命やらないと、七割はいかないので、早め早めの準備が必要になるように思います。



僕が来年受けるはめになるならば、八割くらい安定して得点できるような力は最低限つけようと思っています。脚切の可能性を0にするという意味で、多少多めに勉強すると思います。


先の八割説は、現実的ではないものの達成するべき目標としての意味はありそうです。




以上の検討からわかる勉強の指針としては、今年や今年と難易度が近い平成23年の過去問の憲民刑をといて、八割を越せるようにすること。七割代前半だったら、ちょっと焦ったり、凹んだりすることなんだと思います(例年なら、七割とれば焦る必要はない)。

科目別でいえば、八割ライン、憲法40/50、民法 60/74、刑法40/50 を目指すことが到達目標でしょうか。

(今年の僕は、刑法しか達成できてないですね笑)