ワールドカップ。自国開催。開幕戦。
クロアチアに先制されるも(マルセロのオウンゴール)、ブラジル代表が様々なプレッシャーの中逆転で3-1と見事に結果を残した試合。
先のキーワードを考えれば、開幕戦はどんな形であれ〝勝利〟という結果が大切であり、ブラジル代表にとっては上々のスタートを切れた形だ。
ネイマールの1点目は、ボールの勢いはなかったとはいえ、GKの逆をつききっちりとコースをとらえた素晴らしいシュートだし、3点目のオスカールのシュートはまったくもってケチのつけようのない技術力の高いシュートだった。
しかし、硬さも手伝って前半はクロアチアのペースに巻き込まれた感は拭えない。
いや、「巻き込まれた」というよりも、チームとしての攻め手のバリエーションに試合全体を通して欠けたように見えた。
なにより、この試合のブラジルのボランチ、グスタボとパウリーニョが機能していなかった。
攻撃の起点が両サイドバックとなるため(攻撃にかかった時に、グスタボが最終ラインに落ちて両サイドバックが上がり、3-4-3のような形になる)、どうしてもサイドからの攻撃が主となり、そこでクロアチアにボールを奪われそのままサイドを破られてカウンターを浴びるケースが何度かあった。
結果、クロアチアの先制点はそのような形から生まれた。
ボランチから縦への配球がないために、前半15分を過ぎたあたりからネイマールがボランチの場所まで落ちてきてCBからのボールを受けていた。
加えて、前半の終盤には、(選手が決めたか、監督の指示かは分からないが)フッキが右に回りカットインしながら中央での枚数を増やしていた。
PKを除くネイマールとオスカールの得点は、ブラジル代表選手が持つ〝個の能力〟で奪った得点。
初戦ということでまだまだ本領発揮とはいかずに今後チーム全体のピークをあげていくと思うが、サイドの裏のスペース、ネイマールをよりタイトにつぶそうとするチームが現れたら、今後はどうなっていくか分からない。
写真(2点とも)=高橋学