米司法省は30日、ハーバード大が入学試験で「人種的バランス」を合否判断に採り入れた結果、本来入学できるはずのアジア系米国人が不当に排除されているとして、同大を非難する意見書を発表した。オバマ前政権が進めたアファーマティブ・アクション(積極的な差別是正措置)を押し戻す動きを一段と強めた形だ。

意見書は「公正な入試」を求める学生団体が同大を相手に起こした訴訟で、ボストンの連邦地裁に提出された。セッションズ司法長官名で「税金が投入されているハーバード大は、人種的偏見なく入試を行う責任がある」とし、同大の入試が違法な人種差別に当たる可能性を指摘した。

ニューヨーク・タイムズ紙の昨年の調査によると、18歳人口の15%を占める黒人の全米主要大への入学者は、全体の6%にとどまる。オバマ前政権はこうした「ひずみ」を正そうと新たな指針を策定、入試に際し「自発的に人種を考慮」するよう大学に要請した。

一方、こうした差別是正措置は、人口割合と比べ入学者の多いアジア系には「逆差別」につながりかねない。学生団体は「違法にアジア系を差別している」としてハーバード大を提訴。トランプ政権もこの動きに合わせ、今年7月にオバマ前政権の指針を「法的根拠を欠く」として撤回した。
連邦最高裁は、人種を入学許可の判断材料にすることは認めているが、多様性を確保するため「他に手段がない」ことなどを要件に求めている。「ハーバード大は違法な人種差別でないことを証明できていない」というのがトランプ政権の主張だ。
これに対し、ハーバード大は30日、「司法省が原告の肩を持つことに深く失望した」とするコメントを発表。「大学には多様性を確保する自由と柔軟性が認められるべきだ」と反論した。
教育差別に立ち向かうアジア系米国人(The Wall Street Journal, 2018.06.12.)
https://jp.wsj.com/articles/SB11074846559170153569704584281493668873908
アファーマティブアクションは人種配分主義である(2018.07.16.)
https://ryotaroneko.ti-da.net/e10585567.html
アファーマティブアクション
ハーバード大学
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89%E5%A4%A7%E5%AD%A6