公募美術展「日展」の洋画と工芸美術の分野で、審査員が所属会派の作品を応募前に指導する慣行があることがわかった。開催中の2013年度日展にも事前指導を受けて入選した作品が展示されている。審査員の判断基準が身内だけに伝わり、公正な審査を妨げた可能性がある。入選数を有力会派に事前配分していた書道に続き、他の分野でも審査の不公正さが発覚した。

【写真】今年度の日展審査の経緯

 日展の寺坂公雄理事長が所属し、洋画の審査員を最も多く出す「光風会」でも事前指導が半世紀近く続いてきた。同会によると、今年度は審査員長の寺坂理事長や5人の審査員を含む計7人が9月9日、約30人を選抜して指導した。1人当たり5~10分、3割から9割仕上がった作品を見てもらい、指導を踏まえて完成させ、日展に応募したという。このうち約20人が入選し、1人が特選をとった。

 寺坂理事長は「作家を育てるためにやっており、指導を受けた人でも作品が悪ければ落としていた。誤解があるならば、来年から審査員による事前指導はやめたい」と取材に話した。

有力会派の作品に区分番号 日展・書、審査前に分類


 【沢伸也、田内康介】公募美術展・日展の「書」の応募作品が、審査会場に搬入される前に有力会派別に分類されていたことが分かった。公益社団法人「日展」が搬入業者に依頼し、有力会派に割り当てた「区分番号」を作品に付けさせていた。有力会派に入選数を事前配分した通りに審査を進めるための工作とみられる。

 日展が昨年度、審査会場へ書の作品を搬入する24業者に送った内部文書を朝日新聞は入手した。有力会派の区分番号一覧表を示した上、作品に添付する「名票」に出品者名などに加えて区分番号を記すよう要請。「指定の会の他は、『その他』として扱ってください」と説明している。

 「漢字系関東」の有力会派は1~15、「漢字系関西」は21~37、「その他(漢字)」は39、「かな系」は51~76、「その他(かな)」は79、「篆刻(てんこく)系」は90~97、「その他(篆刻)」は99の番号が割り振られていた。篆刻の2009年度の審査を巡り、当時の審査員が有力会派幹部に送った会派別入選数の配分表に記された各会派の番号と一致している。

不正審査に揺れる日展、波乱の開幕 最高賞発表もなく

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