安倍晋三首相からの「ラブコール」をソデにし続ける朴槿恵大統領の外交姿勢に、さすがに韓国内部からも危惧の声が出始めた。
出口の見えない日韓緊張に耐えかね、大手紙などが相次いで朴大統領に日本への妥協を促す論説を掲載している。海外の識者も、朴外交の先行きを危ぶむ。
■WSJ記事「韓国は自国の強さを過信している」
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2013年10月10日(現地時間)、ウェブ版での識者寄稿記事として、
「自国の強さを過信し、対日関係で危険を冒す韓国」
と題した記事を公開した。
筆者のカール・フリートホーフ氏は、韓国在住の政治学者だ。氏は、日本側が韓国に対話を求めている以上、それを拒否し続けることは「非合理的」「非妥協的」な態度と取られ、特に米国と亀裂を招く危険性が高いと警鐘を鳴らす。ひいては国際的孤立さえ招きかねないとして、
「日韓首脳会談をしたからといって、即『過去を忘れる』ということになるわけでもない。会談は、国際社会相手に高い代価を支払う前に、日韓関係を正常化させる確かな方法だ」
と提唱した。記事はWSJ韓国版でも公開されている。
朴大統領は、9月30日に訪韓した米国のヘーゲル国防長官に対し、日本の首脳が「慰安婦を侮辱する」「時代に逆行した」発言を続けているため対話が行えないと発言するなど、歴史問題で前進がない限り日本側が求める首脳会談は行わない、とする姿勢を続けている。7~10日に相次いで開催されたAPECと東アジア首脳会議でも、「韓国料理をよく食べています」と話しかけるなど積極的にアピールした安倍首相に対して、朴大統領は中国・習近平国家主席との親密さをもっぱら強調し、終始「すれ違い」だった。
この「異常な」光景を目の当たりにし、さすがに危機感を感じたのか、韓国メディアが相次いで朴大統領に日本への融和を説き始めている。
韓国最大紙の朝鮮日報は11日の社説で、現在の状況を「事実上の外交断絶状態」だとしつつ、両国の対立で「ひそかに喜ぶのは誰なのか」を考えるべきだと主張する。日本には歴史認識の改善を求めているが、同時に朴大統領にも、
「今はっきりしていることは、韓日関係があまりにも異常な状況にあることと、この状況は最終的に双方にとって良くない結果をもたらすということだ」
として、あらゆる外交ルートを用いて日本との関係改善に努めるよう要求した。フリートホーフ氏が指摘する「米国との関係悪化」についても、7日記事で懸念を指摘している。
やはり韓国を代表する大手紙の中央日報も、8日の記者コラムで、韓国が日本の軍事力強化に反対することは、米国では「厄介なだけ」と見られており、逆に「なぜ韓国は日本をそのように憎むのか」と問われてしまうと紹介、間接的に対日強硬姿勢の見直しを促す。
はっきりと首脳会談開催を求めたのは京郷新聞だ。「韓国に友好的な日本有力紙・朝日新聞」の社説も引用しながら、
「最近では日本国民の間にも『嫌韓ウイルス』が広がっているという。朴大統領は首脳会談を通じて、彼らに直接語りかけてみてはどうか」
と呼びかけた。
朝鮮日報が読売社説を批判 日本読者からはこれに反発の声
J-CASTニュース 10月11日(金)19時37分配信
韓国で最大部数を誇る朝鮮日報が、日本で最も部数が多い読売新聞の社説を批判する記事を掲載した。読売が朴槿恵大統領の外交姿勢を批判したのに対して、「関係の悪化の原因を韓国のせいにした」などと主張する内容だ。
この記事は日本語版サイトにも掲載され、日本語版としてはアクセスランキングで上位に入るなど注目を集めている。記事に寄せられた日本側の声は、「読売が100%正しい」といったもので、さらに対立が深まりかねない状況だ。
■読売「未来志向よりも過去清算にこだわるなら、信頼関係は築けない」
読売新聞は2013年10月3日、「朴大統領発言 日韓関係改善の意思あるのか」と題した社説を掲載した。その中では、朴槿恵大統領が日韓米の安保協力を求めるヘーゲル米国防長官に対して「歴史や領土問題で時代逆行発言を繰り返す(日本)指導部のせいで、信頼を築けない」と述べたことについて批判を展開。
「訝いぶかしいのは、朴氏が日本の歴史認識にことさら焦点を当てる外交を繰り広げていることだ」
「朴氏が未来志向よりも過去清算にこだわるなら、信頼関係は築けない」
と、朴氏が歴史問題に固執していることが原因で、北朝鮮問題を始めとする日韓が協力して取り組むべき課題への対応が遅れていることを指摘した。
この社説に対して、朝鮮日報は翌10月4日、「読売新聞、社説で朴大統領を批判」と題する解説記事を掲載した。記事の大半は、社説の内容を説明しているのだが、読売新聞の社説が「安倍首相は対話のドアは常に開けているとしている」と説明している点については、
「最近の韓日関係の悪化の原因を韓国のせいにした」
と噛みついた。返す刀で、
「安倍首相が『侵略の定義は定まっていない』などと、日本の植民地支配や侵略戦争を否定する発言をし、韓国や中国をはじめとする国際社会の批判を浴びた点については全く言及していない」
と批判を展開したが、読売社説が言及している「対話のドア」とどのような関連があるかは読み取りにくく、議論は噛み合っていない。
この朝鮮日報の記事は、掲載から1週間が経つ10月11日になっても、日本版ウェブサイトのアクセスランキングの2位にランクインしており、日本の読者の関心を集めていることが分かる。記事に寄せられたツイッター上の声では、
「どうでも良い細かい事を愚だ具だ(原文ママ)並べて故意的に、必要以上に問題を大きくさせてる」
「これで記事になるなら、日本はほぼ毎日記事にせんといかんね」
と朝鮮日報側に批判的な声の方が多い。

