政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は12日、6月に閣議決定した一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売全面解禁について、厚生労働省が骨抜きを図る懸念があるとして同省に警告文を通知した。「ネット販売か対面販売かを問わず合理的、客観的な検討を行う」と定めた閣議決定の着実な実施を求める。
警告文は、全面解禁の具体策を検討する厚労省の専門家会合で「インターネット販売が制約される方向で議論が進められる懸念がある」と指摘。同日記者会見した岡議長は「具体的にどの項目がどうというわけではない」としたが、ネット販売業者に対し、テレビ電話や長時間営業する有人店の設置義務づけなどが検討されていることを問題視したとみられる。岡議長は「閣議決定をないがしろにはさせない」とも述べた。
規制改革会議は同日、今期(2013年7月~14年6月)の協議項目を、看護師が行える医療行為の拡大など52項目とすることも正式決定した。
薬ネット販売:三木谷氏「解禁ないなら政府の議員辞任」
政府の産業競争力会議で民間議員を務める楽天の三木谷浩史会長兼社長が、一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売解禁を巡る議論が進まないことから、一時、議員を辞任する意向を漏らしていたことが分かった。成長戦略第3弾の目玉を探していた安倍晋三首相が5日、「全面解禁」を表明したため、結果的に同会議の内紛は回避された。
政府関係者によると、全面解禁を主張する三木谷氏は最近、「実現しないなら辞める」と同会議や厚生労働省への不満を周囲に伝え、世耕弘成官房副長官らが「辞めたら経済人としての名がすたる」などと説得していた。
全面解禁の方向になったのを受け、三木谷氏は「英断に感謝します」と首相にメール。首相も「また一緒に仕事をしましょう」と返信したという。首相周辺は「これで三木谷氏が辞めることはない」と胸をなで下ろしている。
市販薬ネット販売:解禁で初の協議 厚労省検討会
政府が原則解禁を決めた一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売で、副作用リスクの高い医薬品の解禁の是非を議論する厚生労働省の検討会が8日、初会合を開いた。専門家6人が委員になり、今秋までに結論を出す。15日には、悪質業者対策としてホームページに公認ロゴを付けるなどのネット販売ルールを話し合う検討会も初会合を開く。
高リスクとされるのは(1)医療用に使う有効成分を一般用に転用した第1類医薬品のうち承認4年以内の胃腸薬やアレルギー用薬など23品目(2)劇薬指定されている勃起障害等改善薬4品目と殺菌消毒薬1品目--の計28品目。委員からは「死亡例のある医薬品は抜き出して議論する方がいい」「一般用になると思わぬ使い方をされる可能性がある」などの意見が出た。
市販薬:ネット販売 薬害被害者ら批判「安全性を無視」
厚生労働省の有識者会議で4カ月議論しても結論が出なかった市販薬のインターネット販売が「政治判断」でほぼ全面解禁されることになった。薬害被害者や医療関係者からは「規制改革のパフォーマンスだけで安全性を無視している」などと批判が上がっている。
市販薬の副作用は年約250件発生し、死亡例や、重篤な副作用が出ることもある。解禁範囲は決まったが、安全性確保に向けた具体的なルール作りの議論はこれからだ。
「副作用が多発した場合、国や政治家はちゃんと責任を取るのか。ネットの技術者や医薬品の専門家に加え、薬害被害者も交えてルールを作るべきだ」。千葉県松戸市の増山ゆかりさん(50)は訴える。
手足が短い子供が生まれるなどの副作用が問題となった「サリドマイド」の被害者の一人で、両腕の長さが約15センチしかない。「全国薬害被害者団体連絡協議会」の副代表世話人として厚労省から有識者会議の委員就任を打診され「自分のようにの副作用で苦しむ人を出さないために」と引き受けた。
会議は2月から5月末まで11回開かれた。「リスクの高い薬は対面販売でしか安全性を確保できない」と主張する薬害被害者や医療界に対し、ネット業界側は全面解禁を主張。まとめ役の座長が「こんなに歩み寄りのない会議は初めてだ」と漏らすほどだった。
増山さんは5月上旬にあった8回目の会議の資料を見て驚いた。は副作用のリスクに応じて1~3類に分類される。2類は、子供や妊婦が服用すると副作用の危険が高まる「指定2類」も含まれる。その指定2類の注釈が大幅に削られていた。「指定2類は、飲む人や服用の仕方によっては危険な薬。2類と指定2類を区別して議論すべきです」。意見が反映され、資料が修正された。
結局、有識者会議は双方の意見を両論併記する形で報告書をまとめて終了した。安倍晋三首相が1類の一部を除きほぼ全面的に解禁することを宣言したのは、わずかその5日後だった
規制改革 - 内閣府
規制改革会議 - Wikipedia
規制改革会議で50項目の緩和検討 農業、雇用、健康・医療など ...
「規制改革会議で50項目の緩和検討 農業、雇用、健康・医療など」:イザ!
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