風邪予防など健康の維持や増進に効果が期待される菌などを含む「機能性ヨーグルト」の販売が好調だ。乳業最大手の明治ホールディングス(HD)は今年度、年度ベースの売上高が初めて主力商品の牛乳を上回る見通し。少子高齢化で国内食品市場が縮小する中、消費者の健康志向の高まりを追い風に、乳業各社はさまざまな商品を売り出している。

 「きょうは内臓脂肪が減らせるタイプにしました。毎回いろいろ試しています」。東京都荒川区のスーパー、ライフ南千住店。近くに住む主婦(66)は、100グラム100円前後で売られている機能性ヨーグルトを品定めしていた。店頭には120種類以上が並び、担当者は「売り場の棚が足りない」と語る。

 機能性ヨーグルトは国の認証といった明確な定義はなく、メーカー側が「免疫力が高まる」など、通常のヨーグルトよりも期待できる効果をうたっているものを指す。確実に効くわけではないが、テレビ番組で「インフルエンザの予防につながった」などと紹介され、女性を中心に人気に火が付いた。

 明治HDの「プロビオ」シリーズは、痛風の一因とされるプリン体の吸収を抑える乳酸菌などを配合。2016年度の売上高は1080億円と5年前のほぼ3倍に達し、減少が続く牛乳(1041億円)を上回る見込み。00年ごろからいち早く投入し、11年度にヨーグルト全体(機能性以外も含む)の売上高が牛乳を逆転していた。

 業界2位の森永乳業も「ラクトフェリン」(母乳に含まれ免疫力を高めるたんぱく質を配合)が好調。16年度のヨーグルト全体の売上高は前年度比2%増の511億円と牛乳(6%減の585億円)に迫る見通し。

 3位の雪印メグミルクは、内臓脂肪を減らす効果を掲げる「ガセリ菌SP株 ドリンクタイプ」の16年度の売上高が前年度から倍増する見込み。7月には13億円を投じて生産設備を増強した。

 一方、牛乳は、15年の国民1人当たり消費量が23.7リットルと20年前から約3割減った(業界調べ)。少子化に加え、お茶などとの競合が要因とみられるが、各社にとって主力商品の一つであることに変わりない。明治HDは「のどごしをさわやかにするなど工夫を重ね、売り上げを伸ばしたい」としている。


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