ワールドビジネスサテライト(WBS)・ガイアの夜明け・カンブリア宮殿など経済、ビジネス番組を多数放映するテレビ東京。

『ワールドビジネスサテライト(WBS)』は、経済番組で世界と日本のビジネス環境の現状と未来を主眼に構成されている。

『ガイアの夜明け』と『カンブリア宮殿』は、企業に焦点を絞ったビジネスの現状と未来に主眼が置かれている。

『カンブリア宮殿』は、主にビジネス上注目されているある程度時世にあった企業経営者、企業トップをゲストに招き話を聞く。

『ガイアの夜明け』は、ビジネスの現場に密着するというスタイル。

そういう意味では、経済、それにまつわるビジネス、企業が主役の番組なので、それらを主体に構成するのは妥当であり、当然。

でも、地球環境保全を全く以て無視したかのような経済論理や企業論理が平然と語られている事が多い。

経済とは、ビジネスとは、企業とは問題解決(ソリューション)によって新たなビジネスの根を生みだし、利益を追求する、いわばソリューションの為に存在するようなものと表現することができる。

COP15や京都議定書、自然エネルギー、排出権取引などもそれらを直視するというよりも、ビジネスの種を探し、ビジネスの種を掘り出し、ビジネスの種に自己満足し、ビジネスの種に絶賛し、ビジネスを広めようとすることに猪突猛進。

でも、よく考えてみよう。

●温暖化対策含め地球環境保全を進めなければならない程、経済社会としても無視できないものになってしまった。

●しかも、その原因は経済活動そのものであり、それ以外のなにものでもない。

●にも関わらず、これらの番組をはじめとする経済を主眼においた番組は、未だに無視しているとしか思えない発言や行動を肯定し、あたかも素晴らしいかのように絶賛している。

●自然エネルギーや排出権取引など地球環境を保全すべく考えられたかに見えるものも紹介され、議論されたりもしている。

●が、しかし、自然エネルギーは「今までよりは」地球にやさしいのであってエネルギーを大量消費する社会は肯定してしまっている。排出権取引は、根本的な温暖化対策とはなっておらず、逆に歪曲した利益獲得合戦に走らせ、消極的にでも地球環境を壊す方向に働いている節が強い。

●自然エネルギーにおいて原子力発電が再び脚光を浴びていて、それを絶賛するような番組が多いが、絶賛には全く値しないものである。

●ペット業界、花卉業界さえ、もてはやされるが、少なくとも輸出入を伴うペットについては、食物連鎖、生態系を崩すものである。

●ペット業界、花卉業界に限らず輸出入における国際貨物に付着した花粉や虫なども互いの国において外来生物として既存の在来生物存続の危機となっており、絶滅危惧種増大、世界では、毎年4万種以上が絶滅していると言われているが、それぞれの生命体は、食物連鎖の鎖の一つとなっている為、食べ物がなくなって死滅する種もいるのである。

●貿易自体が生態系、食物連鎖に及ぼす影響は多大であり、無視できないところまできている。

●貿易ばかりでなく、実は国内取引においても、その地に生息しない動植物や虫を持っていく、持ってくることは、その地の生態系を壊す可能性と、気候や土壌や木々など生息するはずのない環境にさらされた動植物は寿命が短くなるとか、そうでなくても突然変異する可能性すらある。

●人間が特に先進国の人類が、便利で快適で楽な生活は、見えないところで人間以外の多様な生命体を絶滅に追い込んだその代償として実現しているともいえる。

●更に国内の生態系や食物連鎖が変化するということ、その地、その国になかったものが流入する事によって人体、人体の健康への被害も無視できないことである。

●日本では花粉症、化学物質過敏症等々含め、あらゆるアレルギー症状が発見されたり、今も尚完治することなく、減ることなく増え、蔓延しているが、

●これら不自然な生命体の移動、食物連鎖、生態系の破壊によるものと住宅建材や車やバイクの排気ガス、工場等の排出ガス、汚水、汚泥をはじめとする不自然なものが自然の農産物、魚介類に与える影響も無視できず、

●自然の農産物、魚介類以外の摂取物も人体に取り込まれていることの副作用も人体の健康被害の一因となる場合がある。

...etc.

人は、自分の目で見えなければ、自分の健康を害することであっても、孫子にその被害が及んでいる現実にあっても、人の欲によって翻弄され続ける多様な生命体を絶滅に導くものであっても、気にせず、平然としていられるのか?

手に余る物事は見て見ぬフリをし、臭いものにはフタをし、邪魔ものは排除し、どうにもならないごみは埋立地として地中や海中に埋め、使用済み核燃料は、金属の筒にガラスと一緒に混ぜ込み密封し、地下数100メートル、数1,000メートルに順次埋めて、

ほら、地上が綺麗になった!といっていて本当に満足なのだろうか?

山々、木々を切り崩し、切り倒し、街をつくって、ほら!便利になった!といっていて本当に満足なのだろうか?

多様な生命体の中で人が知り得る限り、唯一、知的生命体として生かされている人類が、過去を直視、問題を直視することなく、周囲を確認することなく、反省することなく、人類が生かされるにあたり大前提となっている、このありがたい自然の摂理、宇宙、地球、自然環境、人類を含む多様な生命体によってなされる神秘的な生態系、食物連鎖を破壊することに邁進していいはずがない。

その先に待っているものは、自然の摂理にそぐわない存在の淘汰だ。
それは人類である。

経済とは、ビジネスとは、企業とは問題解決(ソリューション)がその存在意義と価値を生みだすと言っても過言ではないが、これらの問題を時に無視し、時に小手先で対応し、時に全力を尽くしているように見せ、実は根本解決することなく、手立てすら思い当たらず、直視せず、逃げ回るだけ逃げ回る事によって現代社会を、現代経済を無理矢理肯定し、絶賛し、人々に信じ込ませる。

それが、おかしいと見抜くことも、そのソリューションを見出すことも経済でも、ビジネスでも求められる、そして知的生命体である人としても、問題に直面した時のソリューションを見出すことが求められている。

だからこそ、経済番組であったとしても、ビジネス番組であったとしても、企業宣伝番組であったとしても、それ以前にひとり一人の人としての問題意識、危機管理意識、危機管理能力、リスク管理が求められるのではないだろうか?

それならば、こうしたリスク管理が欠如した今の番組構成では、経済番組としてもビジネス番組としても企業宣伝番組であったとしても真実と向き合って、その上で解決策を模索するという形で、真実を報じるべきなのではないだろうか。

経済たるもの、その仕組み自体は素晴らしいが、矛盾が矛盾を生むことでそのソリューションを講じることで次々にビジネスが生まれ、栄枯盛衰の中、留まる事を知らず、猪突猛進。

一人でも多くの方々が、世界中の人々が、一人の人として、良心を以て思考をめぐらせれば、今よりも、もっと素晴らしい世界が見えることは間違いないと思う。