蕎麦とお寺は古くからの縁があり、僧侶がお寺で打つ蕎麦が「寺方蕎麦」。
蕎麦は五穀(米・麦・粟・豆・稗or黍)に含まれず、五穀断ちという荒行を行う僧侶にとっては大変貴重な栄養源でした。
穀断ちは修験道のひとつで、別称(木食戒・断穀行)とも。
現代の五穀(十穀というのもあり)と比べ、古代は少し違っています。
古事記は(米・麦・粟・大豆・小豆) 日本書紀は(稲・麦・粟・稗・豆)と記載。
中国の宋に渡った鎌倉時代の僧、栄西や道元らが禅としての作法や食生活を日本に持ち込みました。
寺院に於いて殺生は許されないので鰹は使えず、蕎麦汁も今とは随分違っていたことでしょう。
蕎麦がお寺と僧侶に縁が深いことから、蕎麦屋の屋号に「庵」が多いのは巷間よく知られていますね。
お寺の近くに老舗の蕎麦屋さん(門前蕎麦)や蕎麦文化が残されています。
時代経過と共に各地の寺院では、食膳に供されたり檀家に振る舞われたり、或いは寺領で蕎麦の栽培もされていたようです。
寺方蕎麦に関する一番古い記録は、慶長19年(1614)に江戸の常勝寺で蕎麦が振る舞われた、という記録が残っています。
ご訪問有難うございます。
(そば・うどん)のボタンをクリックして頂きますと励みになります。
↓