全然分からんかった

夜になってお客もまばらな頃、一人の中年男性が入って来た。

「ここの店は煙草を吸ってもいいの？」

彼は眉間にシワを寄せながら言った。

おそらく現在の愛煙家へ対する社会への抗議のようなものが感じ取れた。
「夜は構いませんよ」

女将がそう言うと彼は安心した風情で椅子に座った。

焼酎やつまみの注文を受け落ち着いたところ、焼酎のボトルキープの時にカミサンがお名前を伺うと何故か弾けるように大笑いしている。

聞いてみると中学の同級生のY倉君じゃないですか。

それまでの緊張感が一機に抜けました。

「お互い年とったな～」

等と言いながら帰って行きました。

又逢えることを楽しみにしています。