近代と古代がクロスオーバーする安彦良和氏の「天の血脈」が完結。
急に終わった感じは確かにあるけど、近代の史実をなぞる必要はない。
古代の謎については区切りをつけたのだから、これでいいと思います。
「天の血脈」は「虹色のトロツキー」「王道の狗」に続く安彦近代史3部作の1つ。
王道の狗が明治中期(日清戦争後まで)、虹トロが昭和初期。
天の血脈がその間の日露戦争前後。
主人公の一高生・安積亮は好太王碑の調査に同行し、戦乱に巻き込まれる。
日韓同祖論を利用したい黒龍会の内田良平の暗躍に何度も翻弄される。
その時々で海人族の先祖イサナが現れ、同行した三韓征伐の幻を見せる。
ここで「ナムジ」「神武」「蚤の王」「ヤマトタケル」の古代とクロスオーバーする。
謎だった応神天皇の父親については、武内宿禰、イサナ、百済王世子それぞれが自分と考えているが、結局は母親の神功皇后にもわからないだろうという結末。
私もゲノムを比較するまではわからないと思ったり。
なおワッフルにクリームを使った本郷の中村屋はクリームパンも発明。
さらに、内田良平らの工作でインド独立運動家ボースを匿っていました。
ボースは中村屋の娘と結婚し、本格的インドカレーを中村屋で始めています。