エルミタージュ美術館展でマティスを読む | 横浜の風に吹かれて

横浜の風に吹かれて

The answer, my friend, is blowin' in the wind.
The answer is blowin' in the wind.

先週末、やっと行ってまいりました。

大エルミタージュ美術館展。


最近、大きな美術展は国立新美術館が

多い気がします。


横浜の風に吹かれて  


世紀の顔・西洋絵画の400年と題された、この

美術展。女帝エカテリーナのエルミタージュ

(隠れ家)から、全89点もの作品がやって

きました。

横浜の風に吹かれて  


今月に入って、来場者は30万人を超え、

ポストカード発売ベスト10などが発表されて

いました。


私が買ったなかで、ベストテン圏外だった

一枚。フランソワ・フラマンの「1802年マルメゾン

宮殿でのパーティー」。描かれたのは1894年

です。


横浜の風に吹かれて  


この絵、とても素敵でした。

アルフレッド・シスレーです。1872年。

「ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌ風景」。


横浜の風に吹かれて  


大人気の一つ。

ポール・セザンヌ、1894-1895年。

カーテンのある静物。


近代絵画の父と言われるセザンヌ。

人付き合いが苦手なセザンヌにとって、静物

は格好のモチーフだったようです。

強い自然の産物への共感が描かれています。

横浜の風に吹かれて

今回のナンバー1です。

アンリ・マティス、1908年。

赤い部屋(赤のハーモニー)。

フォービズム(野獣派)の先達であるマティス。


彼は言いました。

「私はただ、自分の感情を色に置き換えようと

しただけだ。」

「絵画はリアリズムを追及するのではなく、

人間の感動や躍動を表現すべきである。」


主張する色、色彩の調和が生み出す空間、

マティスが描いた色が持つ力、観る者に

与えるすさまじいほど漲る力。

180cm×220cmものこの絵が語りかける

力には圧倒されました。

横浜の風に吹かれて

最後にもうひとつ、マティスの言葉。


法律家になるはずだったマティスが、病気療養

を余儀なくされ、母親から送られた、ひと箱の

絵の具を手にしたとき、


「絵の具箱を手にしたとき、私は自分の人生が

そこにあることを感じたのだ。愛するものへと

向かって突進していく動物のように、、、」


マティスが奏でる快い響きを読み取れた

気がした大エルミタージュ美術館展でした。