以前から度々当ブログ記事でも取り上げてきた新しい国立競技場が完成し、先日お披露目のオープニングイベントがあり、見学しに行って来ました。
正面エントランスから見上げたところです。
軒庇を積層して見せることにより、立体的な奥行感を出しています。
最寄りのJR千駄ヶ谷駅から東京体育館を通してアプローチした全景です。
部分的に設備ダクト等、露出している箇所もあるのですが、全体の構成要素である庇の軒天ルーバーにより、そのような雑物を目立たせずに、デザインを統合させています。
スタジアム内部です.。
観客席の周りを鉄骨と木のハイブリッドの跳ね出しの大屋根で囲っています。
軒庇に木のルーバーを使用するのは理解できるのですが、屋根の鉄骨梁をあえて木で被覆する意味が今ひとつ納得できませんでした。
(デザイン提案コンペ時の説明では長期荷重に対しては、鉄骨のみで負担し、短期の風の吹き上げ力に対しては、木材との剛性で抵抗するとのことですが、見た感じでは鉄骨のみでも十分問題ない気がし、むしろ木を使用するデザイン性が優先しているように思えました。
そこが、以前のブログで記したコンペ案で当選したA案(隈案)より、落選したB案(伊東案)の方が、集成材の木造のみで構成した柱をにより、構造的な力強さを感じる部分でしたが、
実際に軒庇の構成を見ると、そのような構造の原理、原則より、全体の意匠の統一性を重視しており、よくまとまっていると感心しました。
その軒天庇のルーバーは下部は実際の木(全国各地の杉材)を取り付けているようですが、
最上部はメンテナンス上のためか、木に似せた材料(おそらくアルミ型材に木目模様を転写したもの)を使用しているように見えました。
軽鉄下地への取付方法が異なるようです。
またトイレは入口と出口が異なるパーキングエリアのような一方通行方式を採用し、混雑時に動線がバッティングしないように考えられていました。
外周庇上には植栽プランターが施され、まだツタは育っていませんが、おそらく来年の五輪本番前までには、さらに伸びているものと思われます。
全体的によく考えられた建築で、オリンピックで世界中の人々をおもてなしするには、ふさわしい建築となっているのではないでしょうか。
但し、まだ建物外構廻りに仮囲いのフェンスが残っており、帰りの観客が数少ないゲートに集中して混雑してしまったところが、唯一気になるところでしたが、五輪本番で仮囲いが撤去されれば、その問題も解消されるのかもしれません。
(写真は競技場外周空中回廊から見た東京体育館越に見える新宿副都心の高層ビル群の夜景です)
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