


「もうやめて欲しい」と何度も言ったけれど
絶対やめてくれなかった。笑
アイロンがけと靴磨きを使命だと思っているかのように絶対やっていたわ。
おかげで制服の革靴はいつもピッカピカw
制服のシャツも給食当番の白衣もノリやりすぎてパッリパリw(着にくかった…)
失敗めっちゃ多いのになぜやりたがるのか意味がわからなかった。
余計なことされて迷惑だなと思ってたわ。
お気に入りの服ほどそうなる。
しかも祖母自身の服は失敗しないのよw
人のものには注意力散漫♡
おいおい普通逆でしょうよw
人のものこそ注意力働かせなさいよw
そんな思い出と共に
アイロンかけながら思ったことは
アイロンがけって写経みたい
やることが決まっていて
やっている作業の音だけが聴こえる。
アイロンの音と鉛筆の音はリズムが似ている。
その通りやるだけで、
そこにはなんの温故知新や発展や成長はなく
出来上がった一瞬の達成感だけがそこにあるの。
こんなに単調でやたら時間のかかる作業を毎日できるなんてある意味かなりの贅沢者。
「私は落ち着いてアイロンをかける時間のある贅沢な女♡」
そんな初心者の優越感に慣れてしまえば、たとえ時間に余裕があるとしても避けたい家事でしょうね。
こんなものを毎日飽きもせず欠かさずやっていた祖母は
余程のアイロン好き
もしくは
家族のためになる貢献欲ゆえ
のどちらか。
隠居生活で息子家族と同居の80代、
嫁は専業主婦で料理上手だからメインの家事はやらなくていい状態だったことを鑑みると
祖母は
人生の目標もなく
やることも特になく(断捨離しとけや)
暇すぎて死んでしまいそうで
「とにかく人のために働きたい」一心で
できること=アイロンがけと靴磨き
をやっていたんだろう、と。
存在価値を見出すために必死で「家族のためになること」をとにかくやりたかったんだろう、と。切ない女だな、と思ったわ。
人は結局、
人のために働きたくて貢献したい♡
そんなシンプルな着地点に行き着く。祖母は存在価値が見出せなくて拗らせたのよ。
必要とされたい女は過度に尽くす。
愛されたすぎる女は可哀想で弱い自分アピールをして心配されたがる。
そして、裏目に出て疎まれる。
祖母は悪いわけじゃなくて、
方向性が悪かっただけ。
愛されたすぎて自分を見失っただけ。
祖母と同じようにハンカチに左上からアイロンを当てながら
「切なくて可哀想な女だったけど、拗らせて必死で可愛い女だったな♡」
なんて、焦がされた私のお気に入りのスカートの匂いを懐かしく思い出して
ふふ、と笑うと
「何がおもしろいの?」と長女が声をかけてきて
「ちょっと昔話思い出しちゃってね〜」
なんて返しました。
祖母よ、私は大嫌いで愛してるよ。今も。
ひ孫抱っこしてくれてありがとう♡
あの子はもう5歳になったよ。
一緒に暮らせてとても面白かったわ♡
ありがとう♡
色々わかった今なら楽しく話せる気がする。
またいつか逢いましょう。
その時は、ダサいリアルファーじゃなくて
最新のフェイクファーでエシカルでサスティナブルな令和のコートをお持ちするわ。
お返しにハンカチはいらないからね♡笑



