はじめて訪問したその方は
たくさんのチューブにつながれ

息も絶え絶えだった

午前中に
往診をしてもらい
先生から
入浴の許可をもらった

と  介護されている娘さんが
話された

そして
何度も
何度も

「やっとお風呂に入れるよ
よかったね
よかったね」と

声をかけ
身体に優しく触れていた


ほとんど
声を発することが出来なくなっている
その利用者さんは

か細く
消え入りそうな声で
「うん」
と  娘さんに応えた



4世代同居されているそのお宅は
とてもキレイで色白なお孫さんと

モデルのように愛らしい
1歳と3歳のひ孫の男の子が
チョロチョロと顔を出す


賑やかで
暖かいお宅だった


余命わずかだと知り
家で看る覚悟をした娘さんと
ご本人の
思いを感じ


「お風呂にはいりたい」
というご本人の願いと

その思いを叶えてあげたい
という願い

双方の思いを
実現できることが
嬉しく

泣きそうになった