朝いつもより早く起き
娘と電車に乗って
市外の娘の志望校のひとつである
私立中学の説明会へ

2ヶ月ぶりに電車に乗り
お出かけをした

行ったこともあったし
坂の上にある学校と
分かってはいたけれど

今年の6月のオープンスクールには
夫の運転でこの学校に来たので
駅から徒歩で
坂を登るのは初めてだった

娘が実際に通う通学路

時間はそんなにかからないけど
坂の勾配が40代の
わたしにはキツかった

娘本人は『これくらい大丈夫』と
いうから
通学そこまで心配はないかな

親が中学高校に来るのは
年にそう何回もないだろうし

この私立中学は
私達の住むエリアから
通う生徒も多いので
そこは安心材料かな、と思う
一緒に通うお友達ができたら
嬉しいな

この学校とどうぞ
ご縁がありますように

少人数の中高一貫なので
そこもとても魅力的

ただ
説明会を終え
坂を下り駅に行き

ちょうどやってきた
帰りの電車に娘と乗って
ふと車窓から外を見る

街路樹は少し色づきはじめ
季節がまた移ろいゆくことを感じる

ふと気持ちが闇に落ちる
娘は隣でウトウトしている

なんで…なんで…
こうなった?

今年の6月には元気に
家族揃ってオープンスクールに
参加できたのに

まだ往生際の悪い私は
夫の病気が
何かの間違いであった
そんな世界を
探して心が彷徨ってしまう

こんな晴れた秋の土曜日なら

家族で学校説明会に参加して
帰りに何処かで
美味しいものを食べて…

そんな世界を
今も想像してしまう
今も欲しくてたまらない

ただ現実は
あまりにも残酷で

娘を午後からの
塾に送り届け
帰宅すると

夫は相変わらず
食欲がなく
今日も寝たり起きたり

よりによって我が家が
こんなことに
何故なったのだろう

また泣けてくる

こんな未来を
自分は想像もしていなかったよ

ずっと変わらずに
大好きな人達と
幸せに平和に笑って生きていけると
そう悪気なく信じこんでいたのに

私を取り巻いていた世界が
こんなにも儚く脆いもの
だったなんて知らなかった

ずっと知りたくなかったのに