私の
仕事中お昼に

夫から
LINEがきて

食べたいものの
リクエストが届く

夫は
吐き気止めの点滴のおかげか
ようやく
ようやく食べられるように
なったみたい

久しぶりに私も
とても
嬉しい気持ちで

午後

仕事の後
買い物を終え
病院へ向かう

夫の病棟に行くと
早速
洗濯物をもって
さらに
点滴台を引っ張りながら
夫が私のところに
でてくる

とても
顔色がよく

ここ最近はなかった
穏やかな表情

よかった
本当によかった

そのまま
一緒に一階の売店の前の
飲食スペースで
2人でカフェタイム

かなり強い吐き気止めを
点滴してもらい
落ち着いたとのこと

もうこの抗がん剤は
したくないなあ…
キツすぎる

夫が言う

確かにこの抗がん剤
FORFIRINOX

夫には
副作用のほうが
あまりにキツくて
心配
私も
同じ意見

カフェタイムの間
たまたま売店に
お昼ごはんを
買いに来た
夫の主治医と会い
しばし話す

今後の抗がん剤治療については
また退院して
外来で相談することに

吐き気が点滴でなく
服薬でコントロールできたら
退院となるそう

主治医も次の外来
までに
色々な選択肢を
考えておくとのこと

病院からの帰り道
ふと思う

ああ
この先

こうやって
少しずつ
少しずつ
選択肢が減っていくのだろうか


膵臓癌は
使える抗がん剤が
少ない

この先…

ああ
やめよう

最悪ばかり
考えるのは今は
やめよう

夫が回復していることを
喜ぼう

今は夫の退院を家族で待ち

次の選択肢こそが
夫に合うことだけを
祈ろう

私の親が自宅で待っていてくれて

家事をしてくれて

何より
話し相手に
なってくれていることが
今のわたしの心の支え