今日、美容院で読んでいて気に入った一文です美容院
昔にハマった山田詠美sanのGINGERでの連載エッセイです。
コピーさせてもらっちゃいました。w


『天下のまわりものの話(一)』


今回は、お金の話。欲しいですか?はい、欲しいです!
と答えたあなた、私と同じです。それでは、どんなお金でも欲しいですか?
うーん、と首を傾げたあなた、あなたも私と同じです。たぶん、
ほとんどの読者の皆さんは、こう思っている筈。
やりがいのある大好きな仕事で充実感を味わいながら稼ぎたい!


(セレブの男に出会って玉の輿に乗り働かないで贅沢したい、
という女たちは、他の雑誌におまかせするということで)


実は、私は、お金自体に、ほとんど興味がない。今は幸いにも
原稿を書くことだけで生活出来ているが大学時代なんか、
自由になりたいからと格好付けて親の仕送りを断ったせいで、
笑っちゃうくらいの赤貧生活を送った。(中略)


そんな日々を過ごしている頃も、お金に興味がなかった。
それでも、時々、お金があればなあ、と口惜しく感じたのは、
それが、とても便利なものであるのを、身を持って知っていたからだ。


フランソワーズ・サガンが、あなたにとってお金とは何ですか、と
インタビューされた時、彼女は、雨の日にバス停に並ばなくてすむ程度のもの、
と答えていた。数年前、私も同じ質問をされた。そして、私はこう答えた。
好きな人が困っている時に助けてあげられる便利なもの。


格好良過ぎ?でも、私は、本当にそう思っているのである。あの貧乏な時代、
私が羨んだのは、お金を持っている人ではなく、自分以外の人間のために
お金を使える余裕のある人だった。私は、ペンと紙を駆使して自立に至るまで、
どれ程多くの人々に助けられたか解らない。そして、彼らのほとんどに対して、
こう感じた。へえ、クールじゃん?私も金持ちになったら同じことしようっと。


そう、私は、人道的な意味からお金で人助けをしようなんて、
はなから思っちゃいなかったのである。私の内なるスタイリッシュの定義に、
他人のための無駄使いが、ぴたりと当てはまった瞬間だった。


山田詠美sanもホステス歴がありますよね~。
ホステス後に活躍している人は本当に尊敬しちゃいます!!!
それだけで現ホステスにパワーを与えてますよねえ。。。キラキラ


GINGER ( ジンジャー ) 2010年 03月号 [雑誌]/著者不明

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