鬱だけど、がんばって義父の昼食の準備をしていた義母。
「つわりみたいにムカムカして気持ち悪い」
「水分取ってね、水分。寝てると飲まなくなっちゃうからね。水分不足になると、もっと調子悪くなるよ」
義母の『ムカムカして気持ち悪い』を、スルーする嫁。
義母、ゴメンね。
だってこのセリフ、お昼の支度をするときに限って、言うから。
嫁に代わって欲しいのかな?
でもさ、吐き気がすると言いつつ、
こだわりのある家事の風呂掃除と炊飯は、やるでしょう?
正直言って、本当に吐き気がするの?って思ってしまう…
きっと、数日後には、吐き気がして昼食が作れないと、直接頼んで来るだろう。
全部かわってやってあげないけど、お昼の支度を手伝いながら、義母のグチを聞く。
「お父さんが、ご飯早くしろって」
「そっか、がんばって起きたんだね」
「今まではちゃんとやってきたのに、こんな風に寝てばかりで、何もしないでどうしようもないって言われる」
「誰がそんなこと、言うの?」
「お父さんとか」
「えー、(要介護2で認知症も進んで反応が少なくなった)今の義父が、そんなこと言う訳ないじゃない」
「だって、お昼早くしろって言われたのよ」
「お昼だ、ご飯だ、早くって、それだけでしょ?」
「まあ…」
「誰もそんなこと思ってないし、言ってないよ。義母が寝てばかりなのは鬱っていう病気のせいだって、わかってるよ」
「でも、自分でもそう思うのよ…」
心療内科の主治医も、言ってた。
「そう考えるのが鬱の人の思考なんですよね、(嫁に向かって)そこまで思い詰めなくてもって思うでしょ?」
今までは”ちゃんと”やってこれたのに、やれない自分が不甲斐ない。
調子が悪いのに何とか頑張っている、とは思えない。
寝てばかりはどうしようもない、と自分を追い詰める。
自由な時間に寝てるんだから良いよね、とは思えない。
どうしようもない人だと言われたくない。
誰もそんなことは言わないのに、他人から悪く思われたくない、が強い。
鬱だから、こんな思考に陥るのだとしても、
義母は、元々そんな考えの持ち主なんだよね。
義母にとって、”手抜きしてゴロゴロ”は悪いこと。
嫁なんか、いかに”手抜きしてゴロゴロするか”、考えて暮らしてるって言うのに。
この差よ。
昔、おばあちゃんの宮城の親類が、これを送って来てくれてた。
また、食べたいなあ~ 。