二階に上がってきた義母。
嫁の買い物カゴに入ったバナナを見つけて、
「あ、いいなぁ、バナナ。私、昨日買ってくるの忘れちゃったのよ。一本ちょうだい?」
「いいよ、あげるよ。もしかして、丸ごと欲しい?」
「でも、お宅で食べるために買ってきたんでしょ?」 ←遠慮深い
「安かったのよ。で、うちは、なくても大丈夫だけど、お宅は、バナナがないと困るんでしょ?」
「そうなの、困るのよ~」
このところ、ブログに、義母の”こだわり”について書いていたが、
そういえばバナナも、こだわり(必需品)だった
”こだわり”と言う、ワードを出してみた。
「バナナがないと困るとか、色々”こだわり”があって、大変ね~」
「いや、べつに”こだわり”なんて、ないわよ」
「えー、いろいろあるでしょ?こだわり。バナナも、なきゃダメ、なんでしょ?」
「そうね。お父さんに朝、ヨーグルトにバナナとレーズンを入れてあげるのよ。
だけど、買い忘れたから、今朝は無くて、『お父さん、バナナがなくてゴメンね』って出したのよ」
「でも、義父、『なんでバナナがないんだ!』って、言うわけじゃないでしょ?義母が、ないのがイヤなんでしょ?」
「うん、『買ってくるのを忘れたから、ゴメンね』って言った」
「それそれ!”バナナないけど、そんな日もあるよね~”って、いう、軽い感じの『ゴメンね』じゃないんでしょ?」
「私バカだから、ヨーグルトにはそれを入れるしか、思い付かないのよ」
「義母がバナナを出したいんだね。こだわりがある暮らしは、大変だね~」
「別に、こだわりなんて、ないわよ。毎日、テキトウよ」
バカ、とかテキトウとか、自虐的なことも、よく言う。
そういうことを言う人にかぎって、承認欲求が強いと聞いて、ナルホドと思った。
役立たずは良くないと思っている、義母、まさにソレ。
「そお?テキトウで気楽に過ごせてるならいいけど、テキトウも悪いことだと思ってるでしょ?」
「そうなの」
「やっぱり大変だー」
義母自身は食べない、バナナへのこだわり。
義父に出すヨーグルトに入れないと、落ち着かないのだ。
そして、何度も言うが、義父はお腹が弱い。
朝からバナナハチミツヨーグルトは、危険なメニュー
「思いがけず、バナナが手に入って、助かったわ~」
と、義母は、喜んで1階に戻って行った。
お役に立てて、良かったよ。
ヨーグルトは、家で作ります
子どもたちは、カルピスをかけて食べます。