「運転やめさせられたから、道を忘れちゃったわ」
義母が、そう言う。
「そうなんだね」
そう返したけど、本当は、言いたい。
『それは違うよ』
道を忘れてしまうような病気がわかったから、
運転をやめてもらったんだよ。
認知症の診断を受ける前から、義母の運転は、怪しく、
どうやったら、やめてもらえるか、いろいろ調べていた。
その中に、
『運転をやめたら、認知症が進むだろう』という、意見があった。
確かに、運転には、認知機能をフル回転させなければならず、
脳には、とても刺激になる。
だから、運転をやめたら、おまけに外出も減ったら、刺激が減るもんね。
でもね、
軽度だとしても、機能低下がみられるのに、
凶器にもなりうる車を運転してまで、認知症予防?
脳に刺激を与えたいなら、運転以外の、他の方法を探ればいいのでは?
出掛ける手段は、不便になるけど、それ以外で何とかするしかないのでは?
利便性と、道行く人の安全を、天秤には掛けられないのでは?
やっぱり、怪しい人は、運転やめて欲しい。
※あくまで、私の意見です。
今になって思うのは、怪しいと思った時点で、
「運転できる脳かどうか、白黒ハッキリさせようじゃないの!」
と、MRIを撮って調べても、よかったのかも、ということ。
認知症だと判明したら、
道路交通法103条には、認知症が判明したら免許取り消しとありますので、諦めてもらえる。
ただし、
MRIを撮っても、問題がなかったら、運転しても良い「お墨付き」をもらっちゃうわけで、
賭けに出られなかった。
うちの義母が厄介だったのは、双極性障害が絡んでいたから。
うつになると、ひどい認知症のようになり、
躁になったら、ケロリと戻る。
だから、これは、認知症じゃないね?って思ったんだよね。
せめて、うつの時だけ、運転をやめてほしくて、もめにもめ続けたんだけれど、
ほんっとーーーーに、それを受け入れてもらえなくて、大変だった。
今、認知症が進行している日々だけれど、
運転のことで悩んでいた頃の方が、しんどかったな、と思います。