今朝の義母は、朝から探し物をしていた。
「昨日も泊ってきたけど、支払いをしてこなかった。財布にお金がないから、探してるの。
え?またどこも行ってないの?
部屋とトイレの位置はうちと同じなのよ。ハッキリしていて、夢だとは思えない」
この後、朝はまず洗濯機を回すのが好みなので、義母は洗濯へ。
義父はデイなので、急いで、朝ご飯は、嫁が用意した。
「私が、洗濯機してる間に、出してもらって食べちゃったのね」
「うん、パンと野菜しか出してないけどね」
「私、バカになっちゃって、あなたがいないと暮らせなくなっちゃった」
そう言って、うなだれる義母
「バカになんてなってないよ。全部、脳の病気のせいだよ」
「今もね、洗濯機の前で、洗濯物を入れてね、さあ、この後どうするんだっけ?ってわからなくなったの
シールが貼ってあるんだけど、それでもよくわからなくて」
洗濯機には、電源ボタンに、スタートボタンに
、というシールが貼ってある。
「今日ね、私に予定があって、義父のデイを変更してもらってるの。
だから、朝ご飯を出しちゃったんだけどね。私も義父も出掛けたら、義母もゆっくり寝れるでしょ」
「だから、昨日、送ってきた人に、明日も来ますからねって言われたのね」
「そうなのよ。このまま、洗濯機の使い方がわからないままだったら困るけど、
義母の場合は、調子がまた戻ってくるでしょ?」
「そうね」
「だから今はちょっとガマン。このあと元気になったら
『洗濯機の使い方がわからないなんて、そんなハズないでしょ!』って言いだすんだから」
「アハハ」
笑い事じゃないんだよ、これが
認知機能が戻ってくるのは、良いんだけど、
そうなると、嫁の手出しを断るようになるんだよ
でも、
「あなたがいないと暮らせない」なんて、聞いたことのないセリフが飛び出した
弱気になると、そんなセリフが義母から出るんだ。
でしょ~と思ったのと、
本来は、世話になっていて、知らん顔するような人じゃなかった、と思い出された。