当然の結果
私の妻は今何をしているのだろう・・・
どこにいるのだろう・・・
最近夢によく出てくる。
続きを書く。
2005年10月23日(日)
この日はちょっと寒かった。
しかもここ数日の疲れがどっと出てきたのか
あまり体調もよくないようだった。
しかし私は朝から興奮していた。
ディープインパクト
菊花賞
7-6
なんとか資金を集めないといけない。
私は早めにウインズに行って情報を売ることにした。
14時過ぎくらいにウインズに着いた。
しかし人に声をかけるって、勇気のいることだ・・・
しかも絶対当たる情報ありますって誰が信じる?
おおっぴらにやるとまずいし、よさげな人を探す。
強面の人は危険だし、女性には怪しまれる・・・
若者かちょっとお金持ちそうな人か・・・
まずは大学生くらいの若い男性に声をかけたが、
案の定、無視された。
何度か若い人に声をかけたが全て断られた。
逆の立場だったら私も断るから仕方ない。
若者はあきらめて、
年配のちょっとリッチそうなおじさんに声をかけた。
こんな内容だったと思う。
私「こんにちは。今日は何が来ると思います?」
おじさん「んー、まあディープと何かやろなぁ・・・」
私「やっぱりそうですよねぇ」
おじさん「この前も2着はずしてもうたからなぁ・・・」
私「競馬お好きなんですか?」
おじさん「もう40年くらいになるわ」
私「毎回どのくらい使われるんですか?」
おじさん「メインは50万くらいかな」
私「そんなに使うんですか??(内心チャンスと思った)」
おじさん「昔はもっと使ってたけどな」
私「・・・絶対当たる情報いりません?」
おじさん「わしはだまされへんぞ。悪いけど。」
私「じゃあ、もし当たらなかったら賭けた金額全部返します」
(もちろんそんなお金持っていなかったが)
おじさん「嘘つくな、売ったら逃げるつもりやろ」
私「じゃあ、レース終わるまでおじさんの横にいます」
おじさん「・・・」
私「買わないと絶対後悔しますよ」
おじさん「・・・いくらや?」
私「10万」
おじさん「あほか!」
私「絶対当たるんだったら安いもんでしょ?」
おじさん「・・・5万や」
私「・・・分かりました」
もっと資金を集めたかったのだが、
その後、ずっとこのおじさんが側から離れることを
許してくれなかったので結局この5万で賭けることにした。
すでにいい時間になっていた。
私は迷わず馬単で7→6、5万の1点買い。
おじさんはいまいち信用していないようだった。
わしはあんかつが来ると思うねんとかいって、
他にいろいろ買っていた。
私が教えた7→6は馬連で買っとくといって
馬連で5万買っていた。
なんて馬鹿なんだと思った。
レースが始まる。
当たると分かっていても
万が一を考えるとドキドキした。
結果・・・
当たった!!
どうやらこの世界は本当に私の知っている13年前らしい!!
私は確か60数万円を手に入れた!
この時の安堵感といったら無かった。
なんとか生き延びられる!
そのことがとにかく嬉しかった。
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この世界ではディープの子供が走るのにあと数年かかるが
私の本当の世界では既に多くのディープの子供が走っている。
どんな馬がいて、どんな成績かも知っている。
話していいことなんだろうか・・・・・・
○○○ストリーム
ひとかけらの運
ずいぶんと間が開いてしまった。
ようやく体調が回復した。
無機質な部屋で一人で寝ていると
たった一人世界に取り残されているように感じる。
続きを書く
それから2日間くらい私は魂が抜けたような状態だった。
昼間は鴨川でぼーっとし、夜になると三条や四条の繁華街を
ふらふらと歩き、朝方また鴨川に戻りベンチで眠る・・・
この時の記憶はあまり残っていない。
しかし人間はこんな状態でも腹が減る。
持っていたわずかなお金も無くなってしまい、
これからどうなるんだという不安がまた襲ってくる。
不思議なことに腹が減っている状態の方が
集中力が増し冷静に物事を考えることができるようだ。
脳がこの状況を打開するために
無理に活発に活動しているのだろうか・・・
私はこれからのことを考えた。
私にはこういう状況になっても自殺する勇気なんてない。
この時ほど自殺できる人を羨ましく思ったことはない。
だからこの世界でなんとか生きていかなければならない。
そして自分の本当の世界に戻る方法を考えなければ・・・
まずは金だった。
世の中、金じゃないというけれど嘘だ。
平和に生きているからそんなことが言えるのだ。
生きていくためには金が必要だ。
私のように自分の世界さえも失ってしまったものには
金以外に頼れるものはない。
ただまだ私には運が残っていたようだ。
ふらっとコンビニに立ち寄ったとき、
スポーツ新聞が目に付いた。
菊花賞
ディープインパクト
これだと思った!
そうだ!私はこの時代の人から見たら未来人なんだ!
私は普段、競馬はしないが、
ディープインパクトの時は毎回馬券を買った。
ディープインパクトが大好きだったのだ。
記憶をたぐり寄せる。
もう13年くらい前のことだから記憶があやふやになっていた。
1着がディープインパクト
2着は・・・
そうだ、となりの馬番だった。
ディープインパクトが7番だから
6番のアドマイヤジャパンか8番のシャドウゲイト。
シャドウゲイトという馬があまり記憶になかったので
6番のアドマイヤジャパンにたどり着いた。
三連単の高額を狙うため
なんとか3着も思い出そうとしたがさすがにダメだった。
ただ私には手持ちがなかった。
身分証明書も何もない私は借金をすることも出来ない。
でも行けば何とかなる!
何の根拠もないのにそんな自信が湧いてきた。
今回さえ何とか乗り切れば
次のディープインパクトのレース有馬記念では
大金持ちだ!
私は興奮していた。
父に会う
体調が最悪だ・・・
気持ち悪い・・・
続きを書く
夕方、再度実家に向かった。
一度通りすがりのふりをして実家の前を通る。
父の車があった。
家の前に自転車が止まっているところを見ると
弟も帰っているんだろう。
父は帰ってくると犬の散歩に行くのが日課だった。
今日も行くのか、もう行ったのかは分からなかったが、
家から少しはなれたところで待つことにした。
2・30分待っただろうか・・・
聞き覚えのある声がした。
前から犬を連れた2人が歩いてきた。
一目見て即分かった。
父と弟だ!
若い!!!
目が合った!!!
声をかけようと思ったが声が出なかった。
父も何か感じたんだろうか。
しばらく目が合っていたが、すれ違うときに
軽く会釈をして通り過ぎていった。
弟は特に何もない様子で私の横を通り過ぎて行った。
私はその場からしばらく動けなかった。
改めてここが2018年でないことを思い知らされた。
気持ち悪い・・・
今日これで落ちます。
これが現実
続きを書く。
硬いベンチで寝てしまったためか
体中が痛くそれで目が覚めてしまった。
鴨川・・・
やはり夢でも病気でもないらしい。
今、これが現実らしい。
忘れていた空腹感が襲ってきた。
近くのコンビニに行く。
AM6時過ぎだった。
5時間くらい寝たのか・・・
全く夢も見なかったので深い眠りだったんだと思う。
コンビニ。
本棚を見る。
懐かしい雑誌や芸能人がいっぱいだった。
お菓子のパッケージや飲み物のラベルも懐かしい。
カップラーメンを1個買う。
レシートを見る。
2005年10月20日木曜日。
これが現実。
ベンチに戻り丸1日ぶりのご飯を食べる。
満腹には程遠いが少しお腹が満たされたとたん
涙が出てきた。
ランニングしてる人や犬の散歩をしている人が
変な目で見てたけど、かまわず涙が出た。
なんで自分がこんな目に遭わなくちゃいけないのか・・・
妻はどうしているだろう・・・
もう一度狐坂に行くことにした。
もしかしたらっていう期待がまだ自分の中にあったから。
ちょっと歩くと足が痛かった。
前の日かなり歩いたからだろう・・・
狐坂
昨日のことを正確に思い出しながら歩く。
妻と競争している時は
この時代に来たっていう感覚はまるでなかった。
そういえばヘアピンカーブの手前で車にすれ違った。
ワンボックスだったと思う。
何だったけなぁ・・・
でも特に何も感じなかったので
私の本当の時代の車だったんだと思う。
そう、球技場前でも車にすれ違った。
そのあたりから古い車が多いなぁと思った気がする。
結構な時間、あたりを観察したり色々考えたりしていたが
何も起こることもなく何か考え付くでもなかった・・・
ふっと昨日と同じことを再現しようと思い、
トンネルあたりから球技場まで走ってみることにした。
・・・特に変わったことはなかった。
戻っていないらしい。
淡い期待を捨てきれずコンビニまで行く。
やはり2005年10月20日木曜日だった。
実家に行ってみる決心をする。
私の実家は京大の近くにある。
すでに足がかなり痛かったのと
実家を見る怖さで気がとても重かった。
実家に到着するための最後の曲がり角を
曲がるときは心臓がバクバク言っているのが分かった。
最後の曲がり角を曲がる。
見えた!!!
着いた。
家があった。
昨日、妻と出てきた時とはやはり違う。
壁も少し綺麗だし、プランターも置いてない。
それに犬がいた!!
数年前に旅立った犬が!!!
表札を見る。
私の父の名前だ!
家には誰もいないようだった。
そうだ。この時代、父も母もまだ勤めていたんだ。
弟は・・・まだ学生だった。
再びこの現実を突きつけられたような気がして愕然とした。
近くの公園に行った。
この時代、私は既に東京にいたし実家にはいないと思う。
でもこの時代の私はどうなっているんだろう?
存在しているのだろうか?
考えまい、考えまいとしていたがもう無理だ。
父と母に会ってみる決断をした。
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この半年くらい先からつけ始めた手帳の日記を見直して、
再度、その当時のことを思い出しながら書いている。
鮮明に記憶が残っているところもあれば、
どうやっても思い出せないところもある。
あの時持っていた全財産804円を
全て使ってしまったのは最大の失敗だった。
今、振り返ってみるとそれが証拠となったかもしれないのに。
今年は平成19年だけど、その804円の小銭の中には、
少なくても1枚くらいは平成19年以降の硬貨があった
可能性が高い。その時はそこまで頭が回らなかった・・・
でもこの日本のどこかに今でも平成19年以降の硬貨が
存在していると思う。
でも偽造としか判断されないだろうけど・・・
1日の終わり
なんとか毎日少しずつでもいいから
書きたいと思うのだがなかなかそういかない。
一回書くと次の日はパソコンの前に座るのも億劫になる。
無理に書こうとすると吐き気がしてくる。
でももう私には書くことしか残されていない。
続きを書く。
赤い表示の最終のバスが行ってしまった。
それからしばらくしてとりとめもないことが
次々に頭に浮かんできた。
今ここにいる人たちからしたら私は未来人ということ?
どの段階でここの世界にきたんだろう?
こっちにはもう一人の自分がいるの?
もしかして妻もどこかの時代に移動したんだろうか?
これが神隠しっていわれていること?
普通に考えてあり得ないでしょ?
なんとかして戻らないと・・・
重い腰をあげてゆっくり歩き出す。
ここが自分の知っている十数年前と一緒なのかどうか・・・
もしも同じなら戻れる可能性もあるんじゃないかと
漠然と思った。
ゆっくりと町並みを見ながら歩いた。
鴨川・・・
出町柳まで来た。
ここまでは多分私の知ってる十数年前だった。
この時AM1:00くらいだったと思う。
三条や四条河原町まで行ってみようかと思ったのだが、
行ってみて、もしもそこに自分の知ってる景色と全く違う
町並みが広がっていたら・・・と思うと足が進まなかった。
実家に行った見ようかとも考えたが、こっちの両親にとって
私は知らない人の可能性が高い・・・
そう思うとやはりと思うと足が進まなかった。
鴨川のベンチに腰を下ろす。
今日はここで一晩明かそうと思った。
一気に空腹感が襲ってきた。
そういえば今日は朝食べてから何も食べていない。
ポケットを探すと、宝ヶ池公園に着く前に買った
ジュースのおつりが入っていた。
804円。
これがその時の私の所持品全部だった。
朝まで我慢することにする。
明日、まずもう一回、狐坂に行ってみようか・・・
それとも実家に行ってみようか・・・
でもその前にもう一回確認しようと思った。
本当にここが十数年前の京都なのか・・・
もしかすると起きると元の場所に戻ってるかもしれない。
もしかして私は病気で病院のベッドの上で
夢を見ているのかもしれない。
いや、そうに違いない。
そうであってほしい。
そんなことを考えながら空腹感も忘れて
その日はベンチで眠ってしまった。
