<My Opinion>
ホリエモンの著書を読むのはこれで2冊目だ。この本はあくまで「小説」らしい。しかし、フィクションとノンフィクションとの境界線が非常に曖昧で、限りなくノンフィクションに近い経済小説だと思う。そこが本書の面白さ。彼自身がAmazon動画広告の中で、「2004年~2005年の東京を中心としたIT起業家達の日々の営みをきちんと描いている小説はなく、自分はそれを描きたかった」という趣旨の話をしており、そこからも本書は「事実」を伝えることに力点が置かれた小説であるということが分かる。
僕は小説をそんなに読まないので、小説としての完成度は良く分からないしあまり興味もない。だが、内容は一言で表せばとてもスリリングで面白い。「事実は小説より奇なり」という格言があるが、「事実に基づく小説、それもやはり奇なり」という印象だ。
バファローズの買収を企図したり、ニッポン放送との間で資本関係がねじれていたフジテレビの買収を図ったり、当時の報道等を色々思い出しながら一気に読み終えてしまった。そういえば、2004年頃は大学に入りたてでビジネスの視点なんてほとんど持っていなかったが、ビジネスのことを少し勉強した今、改めてこの事実を見ると、ホリエモンが巻き起こした波の威力、彼のビジネスのスピード感、さらに事業を捉えるスケールの大きさは尋常ではなかったのだと今更ながらに気付く。
最近、ホリエモンの発言を見ていると、若干「丸くなった」感覚を覚える。どうか「大人」にはならないでほしい。異端児でいてほしい。彼が動くことによって起こる波はまだまだ大きい気がする。目下、宇宙事業をメインに取り組んでいるようだが、もしそれが大言壮語ではなく、彼自身が事業を成功に導いたとすれば世間は彼をまたもてはやすのだろう。
<Memo>
・「そうだ、欲だよ。欲望が金の価値を定める。そしてそれは人によってケース・バイ・ケースなんだ。本来、金はその欲望を満たすための手段でしかないんだよ。」(P62)
・オッサン直伝のビジネス初心者4カ条。(P71)
1つ、元手はかけない。
2つ、在庫ゼロ。
3つ、定期収入。
4つ、利益率。
以上
拝金/堀江 貴文
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